ネットで『客』集める「仲介ブローカー」
最近では、インターネットサイトに「養子縁組受け入れます」「戸籍上の親を探してます」などといった書き込みも増えている。また、ネットで名前を変えたい人物や戸籍上の親を受け入れる人物を物色して仲介料を取る「養子縁組ブローカー」も出没している。
NHK社会部記者の清水將裕が100件近い養子縁組をあっせんしたと豪語するブローカーを取材した。このブローカーは、ネットを通じてサラリーマンや普通の主婦、フリーターなどを対象に養子縁組を探し、「稼げるから」と言って振り込め詐欺に誘うと「たいがいは『いいですよ』と乗ってくる」という。
清水記者は「深刻なのはブローカーの仲介で名前を変えた人物が、自らブローカーになるケースも出てきたこと」(清水)だと言う。
事態を重視した自治体では、養子縁組の審査を家庭裁判所で厳しくするよう法務省に要望している。これを受けて法務省も実態調査に乗り出した。
ヨーロッパでは、日本の戸籍にかわる身分登録制度で出産から結婚、離婚、養子縁組、死亡までを裁判所が厳しく管理している国もある。
これに比べて、日本の戸籍制度や養子縁組制度は管理がゆるい。大化の改新までさかのぼる戸籍制度は、明治になって「家」籍から「戸」籍へと改められたが、現行制度は時代に沿わなくなっている。それは戸籍上は200歳の老人が生きていることになっていたことでもハッキリしている。抜本的な見直しは急務だ。
モンブラン