群れから離れ「反中国」大合唱に馴染まぬ週刊誌ないのか

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死ぬ前にやりたいこと思いつかない―「サン毎」のいい話

   今年は井上ひさしさんや梨元勝さんなど、私がお付き合いしていた人の死が続いている。だからというわけではないが、死についての記事が目にとまる。「週刊現代」は「死ぬとわかったら、すぐやること」という大特集を組み、「サンデー毎日」は「理想の最後」の続編をやっている。

   毎日では、哲学者の土屋賢二氏(65)の話がいい。彼は8月に食道ガンの可能性ありと告げられたそうだ。そこで、死ぬまでにやっておきたいことを考えたが……。

「どうもその気になれない。本当に読みたい本ならとうに読んでいるだろうし、本当に行きたいところにはすでに行っているはずです。思えば、私は若い頃から好きなことだけ続けてきました。(中略)死は確かに重大で不可避の出来事ですが、人生には死以外の側面が無数にあります。(中略)死ぬという出来事は人生の一コマです。それよりも、生きてきた長い時間をどう生きたかということの方が重要でしょう」

   結局、ガンの疑いは晴れたが、彼の奥さんは夫の余命を3か月と予測していたそうで、冗談ですが、ガンじゃないと分かったとき、奥さんはそれほど喜ばなかったと語っています。思わず、わが家の場合はどうだろう、子供たちは?

   一日一生。わかっちゃいるのだが難しいことだ。

 

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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