河村たかし名古屋市長が仕掛けた議会リコール署名は、昨夜(2010年9月30日)の段階で「43万4488人」と市長自らがボードに書いた。リコール成立の法定数は36万5000人だから、第1ラウンドの市長の勝ちは間違いないが、さてこのあとはどんな展開になるのか。玉川徹ディレクターが河村市長に聞いた。
河村「選挙の3倍分の民意」 桜井「文化大革命みたい」
河村市長は「選挙と違って自分で書くんだから、選挙の3倍分くらいの民意。名古屋ッ子が心意気を示した」と胸を張る。「月曜日に届け出るんで、45万くらいいくんじゃないか」
昨年4月の選挙で当選した河村市長の公約の柱は、市民税10%減税、市民協議会の設置、議員定数削減だった。ところが、減税に市議会が抵抗したために、リコールでは議員報酬の半減を加えて署名活動に入った。
「スパモニ」でいつも議会側の主張を代表していた桜井治幸市議がはじめてカメラの前で河村市長と並んだ。
桜井は「まあ、たいしたもんだな。こんな人が民主党の代表選でなぜ推薦人がいなかったのか」(笑い)と軽いジャブ。45万という数字については「通るかどうかはともかく、これだけの数を集めたのは大きな力だと思う、中国の文化大革命みたいな(爆笑)。恨み節かもしれないが、素っ裸にされたという感じだ」
「議員は家業にしてはいけない。ボランティアであるべし」が市長の持論。多くの署名が集まったのには、議員報酬1600万円を800万円にするというのが影響したのかもしれない。
桜井「議員がはじめからそういうものならばいいが、急に糾弾されるとは思っていなかった。政務調査費とかとセットで減らすとかやってもらわないと」
市長「市民と同じ給料でやるべき。800万円だって高い。本当は総理大臣がやらないといけないんだが、名古屋からスタートしようということ」
桜井「市長選で河村さんを応援した民主党の市議も敵になってる。市長も反省すべきだ。身分といういちばん弱いところを攻められたら、こうなった」
市長「とんでもない。自民といっしょになって法案は継続審議。ボクはどうしたらいいんですか。市長は議会を解散できないんですよ」
「市長と議会とどちらが王様か」と玉川。
市長「いまは圧倒的に議会。議会が議決する。市長には提案権しかない」
桜井「われわれには提案権がない。ジャッジするだけ。ただ、提案権とかの努力を怠ってきた面はある」
河村「市長不信任めちゃくちゃ」 桜井「引き立て役はもうご免」
ここで東京のスタジオが割り込んだ。大谷昭宏(ジャーナリスト)が市長に「議会の選挙をしても、 過半数をとれなかったらまたバトルになる。それより多数派工作をするしかないのではないか」
市長「一般的に議会には党議拘束がある。それより民意を聞いてみることが大事。 どっちがいいか、名古屋市民が自分で決める」
赤江珠緒キャスター「市民が喝采するような事柄に、なぜ反対しているのですか。減税に…」
桜井「所得の多い人に手厚くなる」
市長「平成18年に累進制を廃止したのは自民・公明だ」
もし署名が数に達すれば、12月末か年初の住民投票でリコールの成否を問うことになるが、リコール不成立だと4月の統一地方選で、また振り出しに戻る可能性もある。
これに市長は「そうなったら、素直に従うしかない」
議会側には市長不信任という手もあるがと玉川が問う。
「めちゃくちゃになりますよ」と河村市長。
桜井「市長に対抗できるタマがいれば不信任(解散・ダブル選挙)もありうるが、タマがいないので難しい」
大谷「桜井さんが出たらどうですか」
桜井「これ以上、河村市長の引き立て役は嫌だ」(爆笑)
いや、なかなか面白かった。