戦略的互恵などと言いながら、資源獲得のためにはなりふり構わず他国の領土を奪おうとする中国。「スッキリ!!」のリポーターが28日(2010年9月)、尖閣諸島にもっとも近い沖縄県石垣島を訪れ、島民の怒りを取材した。
「信じられないですね。何であそこまで、あんなに言われて何もできないのか。日本国民を誰が守るのか」
石垣島の漁師はこう怒りをぶちまけた。尖閣諸島周辺は、昔から石垣島の漁師たちの収入源であるマグロやカツオに恵まれた漁場だったのだ。
石垣島にある八重山博物館には、中国が古くから尖閣諸島を日本の領土と認識していた資料が保管されている。たとえば、90年前には尖閣諸島沖で遭難した中国漁船を救助した島民に、「中華民国駐在長崎領事」の名前で感謝状が贈られていた。そのころは、マグロ、カツオ漁の最盛期には200人ほどの日本人島民が暮らしており、カツオ節工場もあった。
ところが、尖閣諸島沖に石油の埋蔵があると分かった途端、中国は自国の領土だと主張し始めた。1978年には100隻以上の中国漁船が領海内に侵入、海上保安庁の巡視船と睨み合いになったが、数日後に引き上げた。その後も同様のトラブルはあったが、体当たりするような無法はなかった。
逆手にとって世界にアピール
今回なぜ温家宝首相まで出てきて強硬な対応に終始するのか。アジア問題ジャーナリストの日暮高則は次のように言う。
「中国の漁船が領海内に入ってきたのは、意図的なものがあったと思う。民主党政権がゴタゴタしている機会を選んで、揺さぶりをかけてきた。
東シナ海を黄海や南シナ海と同じように、(中国にとって)大事な海域だということを、日本や米国に知らしめる意味があったと思う」
報道によると、中国政府は28日になって、日本向けレアアース(希土類)の禁輸措置を解除するなど軟化の兆しを見せ始めたと伝えている。それでひと段落とはいかない。
内科医のおおたわ史絵は「衝突事件の一部始終を映したVTRを公開し、世界に向けて発信。日本の領土であることを世界に認識してもらう。ここではっきりさせるいいチャンスじゃないですかね」とコメントする。それこそ、粛々としてビデオ公開してもらいたい。