片桐仁はまり役…ゆるいやりとり楽しむ傑作B級SF

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宇宙犬作戦(テレビ東京系金曜24時53分)>「崖っぷちのテレビ東京がやけくそで送る…2512年の宇宙を舞台に無責任に繰り広げられるSFコメディ」という触れ込み。プロデューサーが藤岡藤巻の藤巻直哉、題字がジブリの鈴木敏夫だったり、俳優陣もゲストで檀れいや大橋のぞみが出演したりで、「崖っぷち」「やけくそ」といいながら、実は豪華なB級SF作品かもしれない。藤岡藤巻作詞作曲のエンディングも「我らがプードル~プードル~プードル~♪」となかなか耳からはなれない。

惑星プードルのデンエンチョウフ号

   宇宙の果てに浮かぶ惑星プードル。荒廃した社会を脱するため、「美しすぎる大統領」(檀れい)は地球からその昔にたどりついたという「デンエンチョウフ号」を再び地球へ旅立たせる。9月24日放送では、大統領の甥でありながらグレた少年・ジュブが船内にやってきて問題を起こすわけだが、この少年どっかで見たことあるなと思ったら、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」で名子役ぶりを発揮した須賀健太君でした。もう高校生なんて、子役の成長は早い。「おい、ざけんじゃねーよマジで!」なんて悪ぶって登場してくるから、最初わからなかった。

   深夜のコメディらしく、ゆるいやりとりがなされて面白いこのドラマ。とりわけ、船長の植物系人を演じる片桐仁は、いるだけで何か面白い稀有な存在なんじゃないかと思う。少年・ジュブにからまれて、「私はこの手のワルが最も苦手です」と真面目に怖がる様子などは秀逸。深夜のドラマの個性的な脇役やコントでこれまでも活躍してきたが、今後の活動がますます楽しみな一人だ。

   深夜独特のゆるさに、個性的な俳優陣。舞台は主にデンエンチョウフ号の中だから、制作費もそんなにかかっていないに違いない。崖っぷちを脱出するには頭をひねれ、そんな教訓が生んだ傑作だ。

てらっち

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