ゴルフ談義、経営論、人生観…欲張りすぎてすべて中途半端

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<グリーンの教え(BS-TBS土曜23時)>ゴルフにまつわる格言・名言をとっかかりに、ゲストにゴルフの話から仕事の話、人生論までを語らせようという欲張りな番組です。司会は総合プロデューサーの秋元康さんで、ゲストは会社経営者や著名人が多いのですが、話はどうしても仕事のことに片寄りがちで、ゴルフのことをもっと聞きたいという私には、なんとももどかしく中途半端な内容なんですが……。

30分でアレもコレもじゃ無理

   グリーンの教えというタイトルにも関わらず、トークは銀座のオーセンティックなバーのようなセットで行われます。9月11日(2010年)の放送では、日本香堂会長の小仲正久さんが出演していて、ゴルフから学んだ「グリーンの教え」として、「プレッシャーを力に変えるのが超一流」という言葉を紹介していました。この人は大変なゴルフ好きで、そのゴルフも負けず嫌いのゴルフ。それは会社経営にも通じているようで、仕事に行き詰まったときも、怖さや不安を前に進む糧にするのだと話していました。なるほどとは思いましたが、ゴルフの話はどこへ行った?というような30分でしたね。

   だいたい、30分でゴルフの話もやんなけりゃいけないし、経営の話もやんなけりゃいけないから、どちらも物足りない。テレビ東京系に作家の村上龍をホストにした「カンブリア宮殿」(月曜22時)という主に経営者を招いた同じようなトーク番組がありますが、まあ、あれの弱々しい番組といったところでしょうか。

   司会の秋元康さんって、印象とは違っておとなしい性格の人なんですね。秋元さんはAKB48を生み出すなど時の人なのですから、もっとゲストに突っ込んだ質問をしてもいいように思いますよ。もうちょっとゲストをいじらないと、ゲストは自分がしゃべりたいことだけしゃべって帰ってしまいますから。

   かつて、テレビ東京系に「藤原弘達のグリーン放談」という番組がありました。評論家の藤原弘達さんがホスト役で政治家や経済人を呼んで、1、2ホールゴルフをやって、そのあと対談になるのですが、なにしろ毒舌でならした人でしたから、突っ込みにスリルがあるんです。与党幹事長や財界トップをつかまえて、「そんなこと言ってちゃ困るよ、キミィ」なんてやるわけです。そこまでやれとは言いませんが、秋元さんはちょっと遠慮しすぎです。

   この際、欲張るのはやめて、1、2ホール一緒に回ってゴルフの話をメインにしてはどうでしょう。ゲストはさまざまな経験をしてきた人たちですから、わざわざ仕事の話に振らなくても、ゴルフ仲間の話、エピソードをしゃべるうちに示唆に富んだ教訓が飛び出すと思うのですが…。

      経営か ゴルフか どっちかにせい

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