極端な冷夏と紙一重
興味深かったのは、2003年にも今年と同じような偏西風の蛇行が見られたが、そのときは冷夏だったという話。蛇行がやや西側にズレテいたために、オホーツク海上にできた高気圧から吹き下ろす風が海で冷やされ、日本に流れ込んで夏の太平洋高気圧を退けたという。
この微妙な変化を指摘する立花義裕(三重大学教授)はこう解説する。
「温暖化傾向が続けばジェット気流(偏西風)も強まる。そのジェット気流が蛇行して、あるときは猛暑に、あるときは紙一重で冷夏になる。つまり極端な異常気象が起こりやすくなる」
向川教授も「100年に1度とか1万年に1度というものが頻繁に起こる可能性がある。地球温暖化が進んでいると認識した方がいい」と警告する。温暖化による報復を受けつつあるということだろうか。
番組後半で、異常気象に対応する農作物の開発に取り組む人たちの姿を紹介したが、中途半端のように思えた。
アレマ
*NHKクローズアップ現代(2010年9月16日放送「異常気象はなぜ起きた」)