激ヤセ、頭髪は薄く、目はうつろ――。タレントの田代まさし容疑者が神奈川県警本部へ移送される際の映像は、番組でもひとしきり話題になった。
「同じ芸能人としてイヤだ。見たくない」
司会の小倉智昭はそう吐き捨てる。一部(大部?)で失笑を買いつつも、自分の信ずるところの身だしなみをつねに身に着けるジェントルマン・オグラにしてみれば、転落した芸能人・田代のあのみっともない哀れな姿は、到底我慢がならないようだ。
番組は田代がともに手を出した覚せい剤とコカインを比較し、効果効能や中毒性の違いなどを説明。と、オグラはそれにも「あのさ、聞いててイライラするんだけど」とクレームをつけた。視聴者などの一般人にはふたつの違いなんて関係ないのに、「田代のおかげで(違いを)聞かされてもさ、腹が立ってくる」
腹立しいのは、オグラも一時、田代を応援したからだそうだ。人間のウラを探究し、汚さ、弱さ、ずるさ、せこさを熟知しているはずのオグラであるが、実際に自分がウラぎられると、そう超然としてもいられないようである。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト