老舗和菓子店のにおいに賠償命令「甘い香りも毎日は苦痛」

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   「もう甘いにおいは耐えられない」

   老舗菓子会社を近隣住民が訴え他裁判で、京都地裁は15日(2010年9月)、「甘いにおいも長期間にわたれば不快で、受忍の限度を超える」と、菓子会社に計約280万円の支払いを命じた。

   支払いを命じられたのは創業明治4年、京都の石田老舗だ。京都の代表的銘菓の一つと言われる「そばぼうろう」を最初に開発した和菓子店である。

近隣住民が「頭痛くなる」と訴え

   石田老舗が京都市南区で操業を始めたのは2005年2月からで、朝から夕方まで排気ダクトや開放された窓から焦げたバターや甘いあんこのにおいがあたりに漂うことになった。

   そもそも、お菓子の甘いにおいは悪臭なのか。悪臭防止法ではアンモニアなど22の物質を特定悪臭物質に指定し制限を定めているが、お菓子のにおいに基準はなかったという。

   08年4月に工場の操業をやめたが、近隣住民はその間の3年4か月間、においで頭痛がしたり、洗濯物に移るなどの迷惑を受けたとして、総額2100万円の損害賠償を求めていた。

   キャスターのテリー伊藤が吠えた。

   「いくら好きなにおいだといっても、毎日嗅がされてはいやになる。ひどいですよ。普通は煙突作ってにおいを上空に逃がすが、やっていない。しかもダストを下に向けていた。むちゃくちゃですよ。3年4か月苦しんで、慰謝料は総額280万円とは……」

   これについて、弁護士の本村健太郎は「慰謝料については日本の裁判所の判断ではどうしても低くなる。これはどうしようもない」と解説した。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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