元厚労省局長「無罪」で問われる検察「ストーリー」の無理矢理

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   「教えて」のコーナーは、先週大阪地裁であった元厚労省局長、村木厚子さんへの無罪判決の意味を考えた。

   障害者団体という厚労省の証明があれば、ダイレクトメール120円が8円になる。これを利用して、ニセの証明書で3億7700万円の不正を働いた、というのが事件の概要だ。問題の証明書作りに元局長はかかわったのかどうか、が焦点だった。

検察調書34通「不採用」

   検察のストーリーは、自称障害者団体の男から、口添えを依頼された民主党の石井一・現参院議員が、部長に依頼。次いで当時課長だった村木元局長に指示、ニセ証明書は係長がつくった、というものだった。

   しかし、事実は不正を働いた団体と係長だけの関係で、その中間はすべて検察のつくりあげた筋書きだった。口添えの事実が議員のアリバイで崩れ、結果、43通の検察調書のうち34通が証拠として採用されなかった。前代未聞、スキャンダルと呼んでもいいほどだ。

   係長は「単独でやった」といっても検事に聞き入れてもらえず、認めさせられた調書を公判では「検事の作文」といっていた。村木元局長は一貫して否定していた。

   鳥越俊太郎は、「団体と係長だけでは、特捜部が動く事件ではない。大物をからませようという意図でつくりあげたんだろう」

   松尾貴史「これ(筋書き)でいくぞ、言った人がいたはず」

   田中喜代重「筋を見るというんです。こういうラインだと。それに合わせて証拠を集める。しかし、客観証拠と合わなくなったとき、撤退すべきだった」

   鳥越「調べのときのメモも公文書として認められるのだが、この件では検事のメモがすべて破棄されていた」

   田中「弁護士でも、メモは残します。それがないということは、組織的に破棄したとしか思えない」

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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