危険ゾーンは「室温28度 湿度70%」以上
どんなところに気をつけて対策を取ればいいのだろう。
スタジオゲストの三宅康史・昭和大学医学部准教授はこうアドバイスする。「活動性が高くない高齢者は、周りの方も気づきにくいが、元気がなく、食欲が落ちて、意識が朦朧としていたら早めに受診してください。温度は28度、湿度は70%より低く保つことです」
エアコンは必須なのだが、そう単純な話でもない。クーラー嫌いの年配者は少なくなく、身内がこまめにコントロールしてやれればいいが、家庭によってはそうもいかない事情もある。
生活保護を受けるひとり暮らしの高齢者の中に、エアコンを購入できないないため体調を崩す人が後を絶たないという。支援するNPOが費用を立て替えてエアコンを設置した例も紹介されたが、NPOができることには限りがある。あるNPO代表の男性は、「熱中症で亡くなる方が増え続けるのではと危惧している。社会全体で考えてほしい」と語る。「所在不明の高齢者」問題を思い起こさせる。行政が向き合うべき課題なのかもしれない。
三宅准教授は「冬のインフルエンザ同様、夏の熱中症も多くの死者を出す。日本の夏はステージが上がって危険な夏になっている。ことしを熱波元年と捉えて、来年以降、総合的な対策が必要だ」と警告する。
アレマ