死に場所に総理の椅子選んだ小沢一郎「心と体の『弱さ』」

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   「『民主』を黒煙の焦土にした暴君復活戦争」(週刊新潮)。まるで戦後の焼け野原を想像させるようなタイトルであるが、今度の代表選の実態を表している。

   小沢一郎立つ。ほとんどの週刊誌が小沢の勝利は揺るがないと書いているが、「嫌われ者総理・小沢一郎の『死に場所』」(週刊ポスト)は、内容はともかくタイトルがいい。

   剛腕といわれ、自分は表に出ないで、裏から政界を操ってきた男が、自ら最後の賭けに打って出た。これまで、黒幕といわれた人間が、表舞台に出て成功した例は聞いたことがない。だが、恐いもの見たさはある。政治とカネの問題以外にも、健康問題や元料亭の女将との関係など、叩けばいくつほこりが出てくるかわからない。それでも、政治家小沢が最後の死に場所に総理の椅子を選んだのは、彼の心と体の「弱さ」がそうさせたのではないかと、私は思う。

   ポストの調査では、親小沢は231人、反小沢100人、中間派が82人だとしている。まだ、小沢が勝っても、俺は総理にはならないとごねる可能性なきにしもあらずだが、総理になって、彼がこの国をどのような「普通の国」にしていくのか、じっくり見せてもらいたいものだ。

   小沢対メディアの戦いはこれからが本番だ。終戦直後の吉田茂は除いて、巨魁といわれた岸信介。闇将軍といわれた田中角栄。それに匹敵する「巨悪」の登場である。小沢出てこいと叫んで、腕をぶしていたメディアにとっても、本当の力量が問われることになる。

頷ける「週刊現代」の「がん保険入るより積み立て」

   梨元勝氏、井上ひさし氏、筑紫哲也氏、みんな死因は肺ガンである。「週刊現代」によれば、自覚症状が出たら手遅れで、3年生存率は10%しかないという。梨元氏は煙草も吸わず、食事に気をつけ、1日1万歩を歩くことを日課にしていたのに、発見されたときはステージⅣまで進んでいて、告知されてから3か月弱で死に至っている。肺ガンは自覚症状がほとんどなく、長期間の咳や血痰が出た時点で、手遅れになるケースがほとんどだという。

   それでも、不幸にしてガンになってしまったとき、手術費、入院費、個室に入れば1日5000円を超える差額ベッド代などが必要になってくる。先進医療は健保が適用されないので、重粒子線治療をやれば、それだけで300万円ほどの自己負担になるという。

   では、テレビで大宣伝している「がん保険」に入っていたほうがいいのだろうか? 誰しもが持つ不安である。

   しかし、先進医療を受ければたしかに高いが、そうした治療を受けている患者は、厚生労働省調べで約0・1%しかいない。また、差額ベッドは、「入りたい」と希望した患者に支払う義務が生じるもので、治療上の必要があって個室に入る場合は支払う義務はない。

   がん=長期入院と誤解している人が多いが、50%以上が1か月以内。日本には高額療養費制度もあって、窓口負担が一定額を超えると、超過分が健康保険から払い戻される。70歳未満だと1か月の自己負担限度額は約8万円、70~74歳だと約6万2000円で済む。

「いざという時のための預貯金が500万円もあればがん保険に入る必要はないと思います」(家計見直しセンター代表の藤川太氏)

   保険のパンフレットには、小さな文字で「高額療養費制度は考慮していません」と書かれている。保険料を払う代わりに、毎月その額を積み立て、それをいざというときに使えばいいというのは、頷ける。

「週刊朝日」指摘…20、30代自殺増加の裏に「生きにくい社会」

   民主党代表選挙以外、週刊誌の酷暑ネタ枯れが続いている。

   野田聖子代議士がアメリカで卵子提供を受け、現在妊娠10数週目に入っていることを告白した。そのことに文春は、「素直に喜べない」という女性たちに「論争」させているが、「おめでとう」のひと言でいいのではないか。

   小錦が不妊治療のためキンタマを切開して、精巣(精子がつくられる場所)から直接取り出す手術をし、すごい激痛に苦しめられたが、残念ながら成功しなかったとポストで告白している。ポストによれば、日本で不妊で悩んでいる夫婦は10組に1組いるという。こちらも頑張れだ。

   「週刊朝日」の連載「新名医の最新治療」で自殺を扱っている。2009年の自殺者総数3万2845人。12年連続で3万人を超えている。年齢では50代が一番多く19・8%で、60代が続く。だが、近年では30代以下の自殺者が微増しているそうだ。

   都立松沢病院精神科部長の林直樹医師は、リストカットなどの自殺関連行動を繰り返す患者についてこう語る。

「従来の研究データでは、30人の自傷者がいたら、長年のうちに、少なめに見積もって1人は自殺で亡くなります。これを多いと見ますか、少ないと見ますか? その見方は、この社会をどんな社会にしたいかということと一致するのではないでしょうか」

   近年、20代、30代の自殺者が上昇していることに、NPOライフリンク代表の清水康之さんはこう言っている。

「中高年と同じ社会経済的要因に加えて、現在多くの人が感じている『生きにくい社会』の中、生きる意味を実感できないことが彼らの『生きるのをやめたい』理由になっている感じがします。私は、社会全体で自殺対策を進めていくことは『生き心地のいい社会』をつくることだと思っています」

   小沢政権ができて、そんな社会が期待できるのだろうか。できないだろうね。

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