ツイッター人気支える「つながり感」「共感」「伝播力(&スピード)」

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   インターネットは人間と同様に本来自由だし、なんでもあり、だ。一方、ネットでなにかやろうとすれば、人間が生きるのと同じように、自由さがなにがしか制約をうける。その方が楽だし、便利なことだってある。

   たとえば、「ホームページ」にスズメの涙ほどの原稿料や何度連絡しても返事してこない編集者についての文句を1万字ぐらい書くことはできる。だが、いくら高度な表現技術を駆使したとしても、そんなモノ読まされるほうはたまらないだろうし、編集者のほうは文句を言い返す手段がないのが不満かもしれない。

   これが「ブログ」やSNSに「進化」すると、文句を言い返されるための仕組みは確保され、お友達をネットワークして登録したり、なにかアクションや誕生日があれば教えてくれたり、諸々の機能が整備された。そのかわり、自由度が高かったホームページは、そこでは文字通りカタにはめられ、レイアウト枠と規約のなかで活動することになるわけだ。

孫正義とも交流してる高校生

   今回クローズアップ現代が取り上げた「ツイッター」の制約は「140字」だ。ミニブログと呼ばれることもあるツイッターは、気軽になんでも140字以内の「つぶやき」というカタチで(「○○なう」が一時流行ったことが懐かしく思い出される)、発信できる。

   「つぶやき」が短いことの利点には、集積化しやすいこともあるだろう。アイフォーンの小さな画面ですら、自分が登録した人の「つぶやき」をまとめて見られるし、返信できる。便利だ。そこでは1万字の自己表現は排除される。

   番組に登場したツイッターを活用する魅力的な人たち――。将来の起業を夢見て、経営者をフォローしつぶやき、そこからリアルな企業人と付き合いがうまれ、あこがれの孫正義とも交流してる高校生。「いろんな人とリアルタイムを共有できてるし、これからも増えていくと思うと無限の可能性がある」と語る。

   あこがれの映像作家から返事をもらってうれしい専門学生、ツイッターで自分の日常をつぶやいてレストランの売上を伸ばした経営者――。

   「つながり感」「共感」「伝播力(&スピード)」。番組がツイッターの特徴を説明した言葉だ。スタジオゲストで、ツイッターに詳しく、自ら活用しているジャーナリスト津田大介さんは「有名人や、その反対の身近な知人でも意外な一面を『つぶやき』から発見でき、『人』への興味が増す」と言う。

   ひとつの発信の中身を大きく制限したことで、ツイッターは速く、コミュニケーションを多量に一覧的に集積することができる。そうしたなかで、誰かの一面を発見し、共感し、つながり感を持った気になったり、またそうされたりできる。それはなんと素晴らしき世界なんだろう。

   なんか人間が簡単すぎてイヤだ――とリアルにつぶやくような人には、筆者的に多少共感したい。

ボンド柳生

NHKクローズアップ現代(2010年8月31日放送「ツイッター『つぶやき』は社会を変えるか?」)

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