33回目を迎えた日本テレビの「24時間テレビ」(8月28~29日放送)。今年は「『ありがとう』今あの人に伝えたい」がテーマで、一夜明けた「スッキリ!」でその舞台裏を見せた。
ニューハーフのはるな愛(37)の85キロマラソンをメインに取り上げた。完走というより『ほぼ完歩』に近く、終盤ではスッピンの男顔でゴール。85キロを走り終わっての感想は、両親へ向けて「ニューハーフに生んでくれてありがとう」だった。
「親が子に教えられました」
しかし、「今あの人に伝えたい」というテーマにぴったりだったのは、トライアスロンに挑んだ盲目の女子高生に母親が贈った次のひと言。
「あきらめないという勇気を親が子に教えられました」
この盲目の女子高生は立木早絵さん(17)は、1歳の時に重い肺炎にかかり目が見えなくなったという。
もともと頑張り屋なのだろう。水泳が得意で、近畿盲学校水泳大会では5種目で金メダルを獲得している。2年前の24時間テレビでも津軽海峡縦断リレーに参加。この時は途中リタイアしたが、昨年再び挑戦して見事泳ぎ切った。
目の見えない人のトライアスロン参加は世界でも例がないという。水泳1.5キロ、自転車40キロ、マラソン10キロの過酷な競技。本人は「前例がないのであれば、自分が一番にやり遂げたい」と気合十分だった。
最初の種目の水泳は得意の種目だけに1.5キロを1時間8分で泳ぎ切った。問題は2種目目の自転車。目が見えない人が、補助輪なしで音だけを頼りに40キロも自転車に走るのは並大抵のことではない。案の定、スタート早々に蛇行してしまったが、すぐれた五感と身体機能ですぐに安定した姿勢に修正し完走。
最後は、これまで4キロまでしか走ったことがないという10キロマラソン。自転車で疲労がたまったのか、両腿に痛みが出たが、兄の激励もあって元気を取り戻して見事に完走した。
スタートからゴールまで涙、涙のはるな愛の完走ぶりに比べ、さわやかそのものだった盲目の少女のトライアスロン挑戦。スタジオでは司会の加藤浩次が「気持ちが強いですね」と感嘆の声を上げ、テリー伊藤も「苦境にあうと強いね、人間って」と感激しきりだった。