河村たかし名古屋市長と市議会の確執は、とうとう市長主導の議会リコールへと動きだした。きょう27日から署名集めに入るが、1か月以内に36万6124人を集めるという前代未聞の大勝負になる。
「勝算なけりゃやるわけにゃーがな」
昨年4月に当選した河村市長は、公約に「市民税の10%減税」「市議会議員定数削減(75人→38人)」「議員報酬半減(1600万円→800万円)」を掲げていた。とくに、議員数と報酬については、「議員はボランティアであるべし」というのが市長の年来の主張で、自らの報酬も800万円にしている。
減税については昨年12月に可決されたが、今年3月に議会は減税を1年限りとし、議員数と報酬問題は否決。河村市長は議会リコールへと動いた。
自治体の長は議会を解散することはできないので、河村市長はリコールという手段に訴えたわけだが、本来は市民が議会の出直しを求める権利だ。河村市長はこの奇策で議会を解散に追い込み、自らも辞任して信任を求めるダブル選挙という目算だ。予定している来年2月6日には愛知県知事選もあるので、トリプルになる。
玉川徹ディレクターが河村市長に聞いた。
「勝算は?」
「勝算がなけりゃやらん。玉川さんの前におるわけにゃーがな」
署名集めをする受任者がすでに4万2000人いるので、1人が10人分を集めればそれだけで42万人になる計算だ。
議会はなぜ反対なのかを玉川が聞いた。
「800万円が嫌なんじゃない」
桜井治幸市議(自民)の「よくツボを知っている。収入が多い人への憎しみを煽っている。ヒトラーがやった手法です」という映像が流れるとスタジオは爆笑になった。
桜井は市長が独裁的な体制を作ろうとしているとも言うのだが、当の市長は「800万円でやってみるとわかる。外国がなぜボランティアでやっているかも。。前の市長と4年間で1億2000万円違うんですから。こんな質素な独裁者はいない」
市議たちは「そこまではできまい」とたかをくくっていたフシがあったが、いまは身内のはずの民主党までが市長の敵に回った。市長選にも「(河村に)勝てる候補」を立てるという。
大谷昭宏(ジャーナリスト)「外から見てると面白いんだが、名古屋はリコールの前に折り合いをつけなさいという空気。36万人集めるのが微妙なのは、戦いを望んでいないからだ」
赤江珠緒キャスター「名古屋の人は恥だと?」
玉川は「36万集まるかどうかでわかります」
うん、やっぱり面白いよ。