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「哀悼 梨元勝」飾るとこなかった反骨の芸能ジャーナリスト

   21日に肺ガンで亡くなった梨元勝氏との付き合いは、彼が『ヤングレディ』の記者をしていた頃からだから、40年近くになる。

   取材としゃべりはうまかったが、原稿の書けない記者だったと、今週の文春「さらば、梨元勝『最後の証言』」で書いている。結果的にはそれが幸いし、テレビに転身して芸能レポーターの新しい形をつくり、お茶の間の人気者になった。

   飾るところがなく、無類の人の良さは、テレビで売れてからも変わらなかった。だが、大学時代、学生運動をしていたからではないだろうが、権力への批判精神はこれも生涯変わることがなかった。

   テレビ局側が人気者を抱えるプロダクションに配慮して、彼の発言を規制することが増えてきたことに反発すると、テレビ側は彼を出さなくなってしまった。

   だが、それに屈することなく、「SMAP」など多くの人気タレントを抱えるジャーニーズ事務所へのテレビ側の「自主規制」に対しても、ネットや携帯サイト、ツイッターなどを駆使して批判し続けた。

    今のテレビは独自取材をしないで、出かけていく先は記者会見ばかり。それもタレントやプロダクションのいいなりになって、質問さえしない有様だ。

   これでは『芸能レポーター』ではなく『芸能サポーター』です。(中略)週刊誌の記事も、ただ読み上げるだけ。なぜ、その先を取材しないのでしょう。こんな取材が続くのなら、私は、『ワイドショーなんかやめちゃえ!』と言っているんです。たかが芸能と言われるかもしれませんが、されど芸能なのです」

   友人であり、反骨の芸能ジャーナリスト梨元勝氏の死を心から悼む。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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