三浦半島のサザエ、アワビの密猟の現場を坂井一郎がルポした。いま日本の海では、これらはみな漁師が稚貝を放流して、何年もかかって収穫している。これを獲られたら、たまったものじゃないだろう。
子どもに手伝わせて……
袋を持っている者は袋に入れたり、あるいは短パンのポケットに入れて海からあがってくる。そこを坂井が直撃して、問いただす。近くには大きな看板も立っている。「知ってるんでしょう?」
割と素直にクーラーボックスを見せたり、ポケットから出したり。だが、その答えが呆れる。
「みんな獲ってるけどね」「知らない」「たまーに昔から」「落ちてたのを拾った」
なかには、バタバタと逃げ出す男もいる。家族でタコを獲ってるのもいた。タコも禁漁だ。みなコソコソしてるから、知ってることは間違いない。
坂井に言われて、「たまたまいたんだから。返すよ」
坂井「知ってたんでしょう。お子さん使うのやめようよ」
やはり被害の多い石川県加賀市の漁師が言う。
「放流して1年以上たって、6・5センチ以上になってはじめてセリにかけられる。その前に持っていかれたら、ご飯食べれんようになる」
漁協も「昨年11月からサザエ5500個、アワビ5000個の稚貝に、エサ(ワカメ)を与え、海水を流しエアも吹き込んで4月いっぱいまで置いて、放流したものだ」という。それが1割以上も密猟の被害にあう。「告訴して厳しい処分をしてもらうしかない」
赤江珠緒キャスター「畑の農作物と同じなんですよね」
坂井は「少しくらいならいいじゃないかと思うかもしれませんが、みな稚貝を買って、放流して2年とか5年とかかけて捕っているんですよ」と、罰金の例を示した。サザエ3個とアワビ1個で、罰金7万円なり。これを高いとみるかどうか。かつて三浦半島では、毎年アワビが100トン獲れたものが、いま10トン。つまりは、乱獲の果てだ。
タレントの松尾貴史「認識がないんじゃないか。子どもに手伝わせてるし。罪悪感がない」
弁護士の田中喜代重「農作物と同じだが、海だとどこのだれのものだかわからないし、窃盗になりにくい。海は広いから、天の恵みみたいな感覚かも」
暴力団絡みで組織的に密猟して料亭に流すなんてのもあるのだそうだ。