奈良山中にペット犬30匹 持て余したブリーダー捨てる

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   異常ともいえるペットブームでひと儲けを狙ったものの、失敗したブリーダー(繁殖業者)の異常な行動が明るみになった。

   ペットショップで人気のチワワやミニチュアダックスフントなど、高級犬21匹が11日、奈良県吉野町の山道で発見された。さらに12日には、隣接する明日香村で9匹が見つかった。

   近くの動物愛護センターに保護されたが、すべて成犬で2匹は皮膚病にかかっていた。いったいイヌたちに何があったのか。

成犬になると「もう売れない」

   「自分の犬かもしれない」と名乗り出たのは35歳の女性ブリーダー。女性は捨てる目的でイヌ約100匹をトラックに載せ現場近くに来たが、捨てるのをためらっているうちにイヌ数十匹が逃げ出したという。どうやら売れなくて手に余ったらしい。

   「NWESッス」コーナーで取り上げた大竹真アナによると、こうしたブリーダーによるイヌの大量投棄は増加傾向にあるという。

   ペットショップでよく売れるのは生後2か月から4か月の子犬。成犬はなかなか買い手がつかない。エサ代などの維持費に1匹当たり月3000~4000円かかるうえ、1歳になるまでに予防注射などで2万円かかる。ブリーダーは成犬になると価格を落として売るか、買い取り先を探すことになる。

   環境省の「ペット動物流通販売実績調査」(2001年報告書)によると、売れなかった犬は、販売前に病死したイヌなどを含め21%(2万800匹)、売れたイヌは79%(7万7000匹)だった。

   司会の加藤浩次が「売れない犬が2万匹もいて、最後はどうするんですかね」と嘆いた。

   弁護士の八代英輝は「買う方にも問題がある」と次のような指摘をする。

   「ブリーダーの良識の問題がまず第1にありますよ。買う方も生後2~4か月の子犬はたしかに可愛いかもしれないが、一時保護しているシェルターも一緒に見て欲しい」

   これにテリー伊藤が「買う方が何とかしろというのはちょっと」と反論した。

   それにしても、いつから子犬に癒されないと生きていけない日本人が増えたのか、と言いたくなるほどの異常なペットブーム。その裏側では姥捨て山ならぬイヌ捨て山。児虐待も含め、生き物の命の軽さに嘆きたくなる。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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