「超高齢者大量不明」で見えたこの国の虚構 総力挙げて取材すべき大テーマだ

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やっぱりそうか!「AERA」110歳不明の息子インタビュー

   私の住んでいるところは東京の中野だが、亡くなった母親が民生委員をやっている頃までは、月に1回は高齢者たちのところを回り、安否はもちろんこと、困ったことがないか聞いて、区の福祉担当者にその情報を伝えるというシステムができていた。

   しかし、その民生委員たちも高齢者になり、櫛の歯がこぼれるようにいなくなり、個人情報保護法のために、地域に住んでいる老人がどうなっているのかもわからなくなっていきつつある。

   「AERA」は長野県内最高高齢者で、生きていれば110歳になる父親の息子、梨本正人氏(74)にインタビューしている。近所では、父親を昭和40年代に見かけたことはあるが、それ以降、見たことはないという。

   息子は父親は「西伊豆に行った」と言うが、その住所は架空のもので、長野市から警察に捜索願を出すように言われているのに、「自分で探す」と断っている。

   息子は探しに行こうと思っているが、体の調子が悪くていまだに行ってはいないと話す。しかし、住宅を取得するときの税金支払い分は、父親の年金から使わせてもらったという。長年、父親が行方不明でも、失踪届を出さなければ、代理で年金を受け取ることができてしまうのだ。

   親子の仲が疎遠になっているにしても、これほどの超高齢者たちが大量に行方不明になっている長寿大国日本は、どこかが狂ってしまっていると思わざるをえない。

   この超高齢者たちの大量行方不明「事件」は、全マスコミが総力を挙げて取材すべき大テーマだと思う。年金を騙し取っていた身内の責任はもちろんのこと、民生委員のありかた、自治体の福祉担当者たちの責任追及、そして一番重要なのは、こうした地域のつながりを決定的に断ち切ってしまった個人情報保護法のような「悪法」の即時撤廃ではないのか。

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