「超高齢者大量不明」で見えたこの国の虚構 総力挙げて取材すべき大テーマだ

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   今年の夏の合併号を見てみると、関心事は4つのテーマに集約される。一つは、菅直人総理対小沢前幹事長の確執の行方と民主党代表選の勝者は誰か。次に、2歳の子どもを餓死させた鬼ママの素顔。瞬く間に広がった100歳以上の老人たちの行方不明「事件」。そして相も変わらずセックスについて手を変え、品を変えた特集である。

   昔は、「週刊新潮」が始めた「ワイド特集 あの人は今」が一世を風靡し、どこでも競ってやったものだが、今は名指しでその人の犯歴や隠しておきたい過去を取り上げることがやりにくくなってきたので、こうしたワイドはあまり見かけなくなった。

   きっかけは、私の記憶では、1970年後半、京都地裁の現職の判事補が検事総長の名前を騙って首相の三木武夫(当時)に電話を掛け、ロッキード事件への政治介入に関する言質を引き出そうとした事件が起きたことだった。

   国会は弾劾裁判を開催して、同判事補に対して罷免の判決を言い渡し、判事補は官職詐称の罪で刑事起訴もされ、拘置29日の判決を受けた。

   この事件は当時大きな話題になり、その後も週刊誌を中心に彼のその後を追いかけ書いていたのだが、そのたびに彼から抗議を受けたり、プライバシー侵害で訴えられ、週刊誌側はことごとく敗訴した。以来、訴えてこないであろう人物だけしか取り上げなくなり、この企画の魅力が薄れ、今ではあまりやらなくなった。

   もう一つ、こうした企画を取り上げにくくなったのは、個人情報保護法が成立したことも大きく影響している。選挙に立候補する人間が、経歴詐称がばれるのを恐れるのか、出身校も書かないケースも増えてきている。

   まだ、この法律を盾に自分のスキャンダルをもみ消そうとしたケースは起きてはいないようだが、そのうちそうしたことも起こってくると思われる。

個人情報保護法の向こう側で何かが起きている

   第1のテーマである菅対小沢の勝負は、週刊誌を読み比べる限り、小沢優勢のようだ。「民主党『新総理』へ動く」(週刊現代)、「小沢総理で解散総選挙」(週刊ポスト)、「小沢一郎『究極の一手』は渡辺喜美みんなの党代表一本釣り」(週刊朝日)、「菅が震える小鳩8・19『軽井沢決起』」(サンデー毎日)。

   だが、代表選に小沢自らが立つという読みや、原口一博・総務相や海江田万里衆院議員を身代わりに立てて、自らは幹事長に収まるなど、見方は様々である。

   昨年のこの時期は、のりピー夫妻の覚せい剤逮捕があり、合併号をやらない週刊朝日がおいしい思いをしたが、今年はハマコーこと浜田幸一元議員の逮捕ぐらいで、他の編集長はホッとしていることであろう。

   幼い2人の子どもを家に置き去りにして餓死させ、逮捕された23歳風俗嬢の「非道事件」は、テレビのワイドショーほどには週刊誌の関心は薄いようだ。好きなホストと遊びたかったという理由で、子どもが餓死することを知っていながら放置しておいた責任は、万死に値するものだ。こうした肉体と性欲は一人前以上でも、頭のほうはガキ以下のできの悪い父親や母親が増えていることは間違いない。

   そうした鬼畜のような夫婦から子どもたちを守るには、個人情報保護法を見直し、もっと緩やかなものにして、民生委員、自治体の福祉担当者、警察などが情報を共有し、少しでも子どもたちの危険を察知したら、家の中にも入り込める「法律」の整備が急がれる。 同じことは、100歳以上の老人たちが多数「行方不明」になっている「事件」でも同様である。

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