自民党に異変だ。きのう(11日)行われた参院議員会長の選挙で、谷川秀善、中曽根弘文両氏が40対40の同数になり、前代未聞のくじ引きの結果、中曽根に決まった。国民にはほとんど関係ないが、党内は「驚天動地」なんだという。
谷川は所属する町村派はじめ、額賀派、古賀派の支持をとりつけて、当初は無投票で選出とみられた。この派閥主導に反発した中堅・若手の要請を受けて中曽根が立候補したものの、派閥議員数で54を数える谷川の優位は動かないと思われていた。
ところが、ふたを開けてみれば同数。つまり、派閥の締め付けがほとんどきかなかったということだ。
これまで選挙もなかった
参院議員会長は自民党の参院議員83人のトップ。参院運営を左右するポストで、「ドン」といわれた青木幹雄氏には、小泉首相でも逆らえなかった。いまは野党だから自ずと役割は異なるが、ねじれのもとでは大きな意味を持つ。これが派閥を離れたことの意味は大きい。
三反園訓(テレビ朝日解説委員)「ある人は『参議院の派閥が終わった日だ』と言っていた。中曽根さんは脱派閥の人事をやるというが、それができるかどうか。派閥の人たちは抵抗しますからね。抗争が起こると、逆に自民党の終わりの始まり」
赤江珠緒キャスター「これまでは選挙もなかったんですか」
三反園「青木さんが右といえば右、左といえば左だった。その抑えがなくなったわけですから、9月の執行部の人事、衆院の派閥も影響を受ける。派閥もなくなっていくんじゃないですか」
鳥越俊太郎(ジャーナリスト)「ねじれ国会では参院の運営はますます重要になる」
三反園「これまでは衆院の通りに動いてきた。それだと参院の意味がない。中曽根さんがどう独自性を出すか。注目されていく」
女優の東ちづる「注目したい。自民党が変わろうとしてるんでしょうね」
中曽根の推薦人には派閥の中堅が堂々と名を連ねていた。この動きが本物なら、自民党の支持率は回復するだろう。