政界の『暴れん坊』といわれたかつての気迫は消え失せ、残ったのは借金まみれによる破産手続きと背任容疑で逮捕という汚名だった。
千葉県警は10日、元衆院議員の浜田幸一容疑者(81)を背任容疑で逮捕した。知人が役員を務める産廃会社から05年6月に2億円を借金。その担保として知人名義の株券を提供したが、浜田容疑者は「株券の名義を変更する」と言っていったん株券を返還させ、その株券を無断で売却して2億円の損害を与えた疑い。
浜田容疑者は「答える意思はありません」と容疑を否認しているという。
浜田容疑者はこの知人とは数10年来の付き合いがあったが、「返す、返す」と言いながら、いっこうに返さないために今年2月、知人が千葉県警に背任容疑で刑事告発していた。浜田容疑者は千葉地裁で債権者からの申し立てによる「第3者破」の破産手続きも進んでいる。
ラスベガスの大負けもまだ返済中
93年に政界を引退し、テレビのバラエティー番組などで活躍していたのに、なぜ借金まみれだったのか。
30年前に米ラスベガスの賭博で150万ドル、当時の為替レートで4億6000万円も大負け。テレビで共演したことがある政治評論家の有馬晴海は、この大負けを「生涯かけて返すことになっているという話を聞いたことがある」と言う。
最近会ったというテリー伊藤はこんなふうに言う。
「相当、体力も精神力も弱っていますよ。訳の分からないことをいっぱい言っていますからね。そっちの方も心配です。
この知人という人は、数10年来の知り合いでしょ。性格も分かっているわけじゃないですか、貸した時点で返ってこない気がするぐらいの気持ちでないとダメ」
浜田容疑者が公の席に姿を見せたのは2か月前、参院選の自民党候補者の演説会場へ応援に駆け付けた。持ち歌の「おかあさん」を熱唱したが、終始車イスに乗ったままだった。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト