戦後65年――。戦争体験者は5人に1人となり、戦後の復興の中心となってきた戦後世代も「高齢者」入りが始まって、いろいろな意味で節目というわけか、今年の終戦記念番組にNHKも民放もことのほか力を入れている。
明日11日の「『わらわし隊』の戦争」(NHK総合午後10時)は、中国各地の日本軍を激励するために、横山エンタツ、花菱アチャコ、ミスワカナらで組織された吉本興業の慰問団の話だ。ただ激励するだけでなく、兵役つらさ、戦闘への恐怖を笑いで慰めようというところが悲しい。お笑いコンビの「ますだおかだ」が当時のネタを再現する。
12日の「爆笑問題の『戦争』入門」(NHK総合午後7時30分)は、爆笑問題を司会に、日本人の「戦争を知らない1億人」と「戦争を知っている2000万人」の代表が、それぞれ戦争について語る。
このほか、NHKは13日にモノクロフィルムをデジタル処理してカラー化した「色つきの悪夢『カラーでよみがえる第二次世界大戦』」(総合午後7時30分)、15日に「BS世界ドキュメンタリー『マンガ戦場を行く』」(BS1午前0時)、16日に「吉永小百合 平和への絆(きずな)コンサート」(BS2午後8時)など、戦争、原爆をテーマにした番組を連日放送する。
民放の目玉は14日午後9時からのTBSドラマ「終戦スペシャル『歸国』」だろう。脚本は倉本聰、出演はビートたけしはじめ、長渕剛、小栗旬、堀北真希、向井理、八千草薫ら。現代の東京駅に南の海に散った日本将兵たちの魂が降り立ち、それぞれが残した家族・恋人のいまを見届けるという話だ。重厚なストーリー、豪華なキャストで、まず見逃せない作品といえそうである。
テレビ朝日は「消えた東京ローズを追え!戦後65年目の真実」(15日午後2時)、テレビ東京は「池上彰の戦争を考えるスペシャル 戦争はなぜ始まり、どう終わるのか」(15日午後7時)、日本テレビは「平和公園に眠る故郷 CGでよみがえる記憶の町」(16日午前0時50分)を放送する。(テレビウオッチ編集部)