【取材秘話】開会式に華添える、プラカード嬢に3代目誕生

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取材秘話・フラッシュバック(1)


   つばの広い白い帽子に白いブラウス、紺のジャンパースカート、胸にピンクのバラ――。セレモニーで先導役を努める女子高生が7日、開会式で清楚な華を添えた。

   彼女たちが登場したのは1949年(昭和24年)の第31回大会だったから今年で62回も続く夏の風物詩である。男子だけの高校野球に女子を参加させようと、当時、甲子園球場に近いということで同市高座町の西宮市建石高校がその役を担うことになった。その後、市立西宮高校と校名を変えたが、県立西宮高校もあるので地元では「イチニシ」「ケンニシ」呼び分けている。

   今年も7月15日に選考会があって、2年生の生徒90人が応募、65人が選ばれた。同校の講堂で行われた選考会では保健体育の教員がリズム感、姿勢のよさなどを審査。生徒たちは古くなった竹ホーキの芯をプラカードに見立て、音楽に合わせて歩いた。このプラカード嬢に憧れて入学してきた生徒たちもいるくらいだから表情は真剣。一足先に「甲子園を想像して歩いた」という。

   これまでにも母子出場は何組もあった。今年も2人が母子出場を決めたが、初めて、祖母、母、娘の3代出場が1人誕生した。普通科の古賀美咲さん(17)で祖母、母と同じプラカード担当。高知代表の明徳義塾高校の先頭に立って堂々と行進した。プラカード嬢の難しさはセンターの守備位置あたりから全選手が一斉に前進するとき、横一列の線をいかに崩さずに歩くかだという。見事な行進だった。

岡田 忠



岡田 忠(おかだ・ちゅう)プロフィール
スポーツジャーナリスト。1936年広島県生まれ。立命館大学卒。朝日新聞社東京本社編集委員を96年に退職して現職。高校・大学では野球部に所属し投手をつとめる。高校野球のテレビ解説経験も豊富。

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