阿佐ヶ谷ロフトAで、たぬきちさんたちと出版社の現状とこれからについて語り合った。たぬきちさんは45歳、光文社にいて、早期退職制度に応募して辞めるまでの経過を、ブログ「リストラなう」に書いて話題になり、先月、新潮社からブログをまとめた本を出した。
光文社は、講談社にいた神吉晴夫氏が2代目の社長になって、カッパブックスから『英語に強くなる本』『頭の体操』などのミリオンセラーを次々に生み出し、大きく成長した出版社だ。
だが、前社長が広告収入に頼る女性誌やファッション誌に力を入れたこともあって、出版不況やリーマンショックなどで売り上げが急激に落ち込み、リストラ策の一環として、50名の早期退職者を募ったのだ。
満員の会場から「おーっ」というどよめきが出たのは、彼の退職金の額を聞いたときだ。
「5200万円でした」
これには、横で聞いていた私も驚いた。割増金がつくとはいっても、さすが光文社はすごい。私が同じ年で講談社を辞めていても、半分もいかなかったと思う。たぬきちさんは、独身でローンの支払いもないという。うらやましい!
渡辺喜美の奧さんが銀座ホステスだったと知っても…
さて、「週刊文春」、「週刊新潮」は今週号が合併号。2週間売るから、部数も多く刷るし、編集部も力を入れた企画を出してくるはずだが、目次を見ると、アレレ。
文春は「雅子さまと愛子さま『20の謎』を解く」が一番大きな見出しで、新潮は「『菅総理』と『仙谷官房長官』の赤い系譜」がそれだ。残念ながら、このタイトルで買おうという人はどれだけいるのか。
文春でその他にめぼしい記事は、上杉隆氏の署名記事「渡辺喜美の『正体』」だが、目新しいのは、「まゆみさん(喜美氏の奥さん=筆者注)は、銀座の高級クラブ『M』の人気ホステスでした」ということと、結婚式の時は、すでに1歳半の長男がいて、奥さんは妊娠4か月だったことぐらいだ。
もうひと押しない痩身クリニック追及
新潮の巻頭記事は、川島なお美、中山美穂、東山紀之など有名人が挙って通う人気「痩身クリニック」が出していた「やせ薬」の中に、覚せい剤の原料であるエフェドリンが入っていたことが発覚したというのだ。今年2月に、ここの患者だった39歳の男性が急死して、その原因がこのクリニックが出していたETCといわれるクスリにあるのではないかと、このクリニックの元理事が話している。
しかも、男性の死後、この医師は怪しげな行動をとり、男性の遺族がカルテの開示を求めると、カルテを改ざんして出してきた。遺族が怒ると、その場で医療ミスを認める手書きの文書まで出して土下座したという。だが、怒りの収まらない遺族は、7月5日に医師法違反などで警視庁に告訴した。
ここまで読むと、このクリニックは相当危ないと思うのだが、通院していた三枝成彰氏は、このクリニックに行って本当に痩せて感謝しているといい、「(中略)クスリで亡くなったと証明できるんですか? どの病院だって、死者は出ますよ」と答えている。
だが、林真理子さんは後悔している、今はクスリの服用をやめていると話す。そして「あちこちで痩せたことを触れ回り、結果的に世間のいい笑いものになってしまって、恥ずかしい気持ちでいっぱいです」
いつもの新潮なら、ここまできたら完膚無きまでに叩くはずだと思って読み進めると、意外にも、あっさり「法外な金額を取る痩身クリニックはやはり注意が必要なようである」と一般論で結んでいる。最後のひと押しのない、新潮らしくない記事だといわざるをえない。何かあったの新潮さん?
もう1本は得意の大相撲追及記事。03年の5月、大関・千代大海が山口組大幹部と関わりがあった動かぬ証拠と、ツーショット写真を掲載している。胃がんを手術したばかりの武蔵川理事長は、さぞかし胃がきりきり痛むことだろう。
恒例のワイド特集は、沢尻エリカ「独占告白40分」のある新潮がやや優勢だが、このインタビュー、夫・高城剛氏との離婚話はいまだ進展せずということがわかるだけ。おいおい、もう少し聞くことがあるだろう。文春のワイドでは、勝新太郎、横山やすしのエピソードがちょっぴり泣かせる。