お盆合併号なのに企画も中身も薄い「文春」「新潮」

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もうひと押しない痩身クリニック追及

   新潮の巻頭記事は、川島なお美、中山美穂、東山紀之など有名人が挙って通う人気「痩身クリニック」が出していた「やせ薬」の中に、覚せい剤の原料であるエフェドリンが入っていたことが発覚したというのだ。今年2月に、ここの患者だった39歳の男性が急死して、その原因がこのクリニックが出していたETCといわれるクスリにあるのではないかと、このクリニックの元理事が話している。

   しかも、男性の死後、この医師は怪しげな行動をとり、男性の遺族がカルテの開示を求めると、カルテを改ざんして出してきた。遺族が怒ると、その場で医療ミスを認める手書きの文書まで出して土下座したという。だが、怒りの収まらない遺族は、7月5日に医師法違反などで警視庁に告訴した。

   ここまで読むと、このクリニックは相当危ないと思うのだが、通院していた三枝成彰氏は、このクリニックに行って本当に痩せて感謝しているといい、「(中略)クスリで亡くなったと証明できるんですか? どの病院だって、死者は出ますよ」と答えている。

   だが、林真理子さんは後悔している、今はクスリの服用をやめていると話す。そして「あちこちで痩せたことを触れ回り、結果的に世間のいい笑いものになってしまって、恥ずかしい気持ちでいっぱいです」

   いつもの新潮なら、ここまできたら完膚無きまでに叩くはずだと思って読み進めると、意外にも、あっさり「法外な金額を取る痩身クリニックはやはり注意が必要なようである」と一般論で結んでいる。最後のひと押しのない、新潮らしくない記事だといわざるをえない。何かあったの新潮さん?

   もう1本は得意の大相撲追及記事。03年の5月、大関・千代大海が山口組大幹部と関わりがあった動かぬ証拠と、ツーショット写真を掲載している。胃がんを手術したばかりの武蔵川理事長は、さぞかし胃がきりきり痛むことだろう。

   恒例のワイド特集は、沢尻エリカ「独占告白40分」のある新潮がやや優勢だが、このインタビュー、夫・高城剛氏との離婚話はいまだ進展せずということがわかるだけ。おいおい、もう少し聞くことがあるだろう。文春のワイドでは、勝新太郎、横山やすしのエピソードがちょっぴり泣かせる。

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