世界の長寿国といわれていた日本で、超高齢者が実は所在不明というニュースは、海外で驚きをもって受け止められているようだ。韓国でも大きく伝えられ、「日本人も人間的(いい加減)だったと安心した」なんていう声も聞かれる。
いったい所在不明の実態はどのくらいなのか。ANNの調査では、きのう(4日)までで全国で100歳以上の所在不明は54人になった。各自治体とも高齢者の安否・所在確認は主に民政委員に頼っている。その民生委員が実情を語った。
不在わかっても勝手に警察に連絡できない
八王子市では102歳になるはずの男性が不明。民生委員は8年前、ひとり暮らしの自宅を訪問して不在がわかったため、家族に市や警察に連絡するようすすめたが、家族は連絡しなかった。市は「家族がいるのだから、勝手に警察へというのはできない」という。
その八王子で16年間民生委員をしている名越はるさんは、各戸を月に1度か2度、ひとり暮らしや寝込んでいる人は2日に1度くらいの頻度で回る。「心強いですよ」とひとり暮らしの女性は言う。
名越さんは「守秘義務が難しくしてますね。夫婦間でも親子間でも。生活保護を受けている人の名前は出さないし…」
別の民生委員の女性は、9年間に2人の孤独死を体験した。「新聞がたまっていて、ノックしても出てこないので留守かなと思いましたが、2日後も同じだったので連絡したら、死後1週間だった」
電話番号もわからない
03年の個人情報保護法でいっそう踏み込むのがむずかしくなった。電話番号もわからないし、情報も公開されない。地震や火事でも、とくにマンションは助けられないという。
民生委員は厚労省が委嘱、任期は3年、無給のボランティアだ。他の民生委員の推薦などの条件があって、なかなかなり手がいない。
鳥越俊太郎(ジャーナリスト)「高齢化が進んで、家庭の崩壊がある。恐ろしいと思うけど、年寄りが都会で消えて、だれも把握していない。それも半端な数字じゃない」
小木逸平アナ「戦前から行方不明というのもある」
赤江珠緒キャスター「調べる気になれば、わかるはず」
東ちづる(女優)「人間だから、消えるわけはない。必ずどうにかなってるはず。でもこんなに哀しいことはない。戦中を生き抜き、戦後を作って来た人たちが消息不明なんて。家族がいるのに…」