「スパモニ」が以前から力を入れている「盗聴器」問題。今回は5日間の調査で7個の盗聴器が見つかった。「実態は何も変わっていない」と専門家は言う。これも社会が病んでいる証のひとつなのか。
タップやコンセント
大阪市郊外の住宅街で電波をキャッチした。新築の住宅だった。「なんで新築の家に盗聴器が付けられているのか」といぶかる調査会社の酒井賢一さん。これまでにも大阪府教委に仕掛けられた盗聴器を発見するなどの実績がある。
家に入ってみると、一家の娘さんの部屋からだった。父親が娘に「お前の声、丸聞こえやど」と叫んだ。テレビの後ろのコンセントに付いていた三つ叉のタップ。これが盗聴器だった。
「市販品でしょ?」と父親。「市販の盗聴器です」と酒井さん。
聞けば、娘さんは6か月前まで近くのワンルームマンションに住んでいて、タップはその時から使っていたという。だれが付けたものか。それまでの人間関係が一気に暗転する。
次は神戸のマンション最上階の9階の部屋だった。位置が高いと、電波は半径500メートルくらいまで飛ぶ。今度は台所の三つ叉のタップだった。いったいだれが!
酒井さんによると、付けて歩く不届き者だけでなく、飛んでる電波を聞いて楽しむ連中がいる。ネットで場所と周波数などが伝えられているのだ。
もう1件はオートロック付きのマンション。こんどは部屋のカベの埋め込み式のコンセントだった。前の住人の時代に仕掛けられたものだろうという結論になった。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト