「不明超高齢者」ひとりで暮らしてるはずないのだが…

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   東京・足立区、杉並区で見つかった超高齢者の行方不明をきっかけに、全国の自治体が調査を始めたところ、これまでに10人以上の不明が判明した。家族も高齢だが、「20年前からわからない」などというのを聞くと、やはり背筋が寒くなる。

   杉並区で不明になっている113歳の古谷ふささんの所在は、依然わかっていない。長女(79)、次女(74)ともに「知らない」といい、警視庁が見つけた次男(71)も、「2、30年前にいなくなった」と言っているという。次女は「もう50年も家族とは会っていない。関わりたくない」と迷惑顔のようだが、いったいどんな家族だったのか。

   このほかにも、東京都内では、港区、北区、荒川区、八王子市など7人が所在不明。なかには「25年前から」という人もいた。また、長野、名古屋、熱海でも不明が明らかになって、「スパモニ」が確認したのが10人。だが、別の報道では、北海道、福岡などにもいて、どうやら都市部を中心にまだ増えそうだ。

   長妻厚労相もきのう(3日)、「110歳以上の年金受給者全員を調べ。今月中に結果を出す」と語った。

長寿ニッポンの闇

   この問題を取材した所太郎レポーターによると、自治体は届け出や申請があって初めて住民と接点ができるが、それが実態と違っていも手の打ちようがない。家族からの手がかりがなければ、警察に頼るしかないのが実態だという。

   赤江珠緒キャスター「日本は長寿の国だと思っていましたけど…」

   鳥越俊太郎〔ジャーナリスト〕「お年寄りは家族といるか、1人でいるか、施設にいるかしかなかったのが、行方不明というのが出て来たわけだ。かなりの方が亡くなっているのではないか。日本社会の闇というのか…」

   落合恵子(作家)「核家族化といわれて30年、当時50、60歳だった人がいま90代でしょう。これを解いていくのはだれなんだ」

   森永卓郎(経済アナリスト)「親子の関係が希薄になっている。だから都市部が多い」

   赤江「存在がそんなに簡単に消えてしまうのでしょうか。人とのつながりはそんなにはかないものなのかと、空恐ろしくなります」

   まったくだ。しかし、人間1人がそう簡単に消えるはずがない。110歳が1人で生きているのはまずありえないし、亡くなっていれば必ずどこかで痕跡が残る。戦中、戦後を社会の核となって生きた人たちだ。どんな人生だったのかを調べると、日本の戦後がなんであったかが見えてくるかもしれない。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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