「失礼じゃないですか、こんなバカな話ないですよ」
都内最高齢者(113歳)の女性の行方が分からなくなったという杉並区の発表に、キャスターのテリー伊藤が怒りをあらわにした。
杉並区保健福祉部の課長が2日、都内最高齢者の女性が住民登録地の杉並区の住んでいないことが分かったと発表した。発表によると、東京・足立区で男性では都内最高齢とされる男性が遺体で見つかったことから、7月30日に杉並区の職員が女性の住所宅を訪れた。職員は玄間先で応対した長女(79)から、「母親は以前からここには住んでいない」と聞かされたという。
医療保険も介護保険も年金も記録なし
2日夜には報道陣が長女宅に押しかけ、応対した長女の話から次のようなことが分かった。
長女の父親は1961年に60歳代で死亡し、母親と弟、妹がいる。千葉県市川市で母親と長女、弟の3人で暮らしていたが、家が狭くなったのと職場近くに住みたいという理由で、長女だけ24年前の86年に杉並区に引っ越した。
この時、経緯は分からないが、90歳だった母親の住所も杉並区に移されたという。長女は98年に現在住んでいる杉並区内の別のアパートに引っ越したが、この時も母親の住所を一緒に移している。
母親の医療保険料は長女が払っていたが、113歳にもなるのに5年以上も使われていないうえ、介護保険も受けていない。老齢福祉年金の受給記録もないという。
年配の長女に落ち度まったくない
テリーが怒るのは杉並区の杜撰さ。「杉並区は失礼ですよ」という怒り爆発に、ピンとこない司会の加藤浩次が「どういうことですか」と質問、それに怒りを加速させたテリーは次のようにまくしたてた。
「だって、何も悪いことしていないですよ、この長女は。長女は『母は弟と住んでいるかもしれない』と言っているんですよ。マスコミが年配の長女宅に行って、どうなっているのか聞く意味があるんですか。
弟と住んでいるかもと言うのだから、杉並区は発表する前にその先をきちんと調べるべきで、やることはいっぱいある。弟とは仲が悪いなんて、何で言わなきゃならないんですか。この長女に落ち度はまったくない。失礼ですよ」
杉並区では年に1度、100歳以上のお年寄りに長寿のお祝いの品を送るという。まして都内の最高齢者。区長が訪問してもおかしくない長寿だが、居場所すら確認した記録がないという。これが高齢化社会の冷たい現実なのか。