駅や車内で1日平均2.4人の駅員や乗務員が、乗客から殴られたり蹴られたり、ひどいときは傘でノドを突かれる被害に遭っているという。
日本民営鉄道協会が明らかにした駅員や乗務員が受けた暴力は、全国で09年度869件に達し、過去最悪になった。では、どんな暴力が繰り返されているのか。
【ケース1】男が電車に駆け込もうとして、閉まりかけた扉に持っていた傘を強引に差し込んだ。危険を感じた駅員が駆けつけて傘を引き抜いたが、男はその傘で駅員のノドをひと突き。
【ケース2】30代と見られる女。ホームの端を千鳥足で歩いていたので駅員が注意したところ、いきなり殴る蹴るの乱暴。女は駅員の腕と肩にも噛みついた。
乱暴を働くのは圧倒的に男が多いが、最近は女の加害者も増加傾向にあるという。しかも悪質化している。女の場合、言葉の暴力も多い。ハイヒールでテーブルを叩き、「上司を連れて来い」と怒鳴ったり、「私はあなたを許さない。土下座しなさい」とわめくのだ。乗客が見ている前で土下座させられた管理職が何人もいるという。
加害者の6割が飲酒
協会の調べによると、そうした加害者の57.4%が酒を飲んでいる。
司会のテリー伊藤「酒を飲んでの暴力ということで夜ですよ、夜は警備員を置くといういい」
ただ、コストの面から限界があり、どれほどの効果が期待できるか。
コラムニストの勝谷誠彦はこんな意見を披露した。
「これはモンスター・パッセンジャーですね。日本の警察は現場裁量主義なので説諭で済ませてしまう。暴力乗客は全員警察に引き渡し、職場に通報すればいい。明日から仕事ありませんよ」
警察に引き渡し、職場にも連絡するという警告ポスターを掲示するだけでも効果はありそう。そこまでしないと理不尽な暴力がなくならないストレス社会・日本に問題があるが……。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト