タレントに無謀なことやらせて一丁上がりじゃ悲しい

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   <ミリオンダイス(日本テレビ系木曜夜7時>お笑いコンビのチュートリアル、ベッキー、イモトをレギュラーに、さまざまなチャレンジャーが毎週、面白ミッションに挑む番組で、22日の放送はイモトが「キャニオニング」という谷川くだりに挑戦するというので、見てるだけで涼しくなるかなと思ってみました。もうひとつのチャレンジは、チュートリアルで石川県金沢で金箔を貼った重箱を作り、高級うなぎを食べるというもの。こっちは暑苦しかったですね。

奇をてらう必要まったくなし

   キャニオニングというのは、急流でウォータースライダーを楽しむアウトドアスポーツだそうで、渓谷の多い日本は名ポイントに恵まれ、海外からもわざわざ滑りにというか、落ちに来るのだそうです。

   イモトは全国でもベスト5位に入る利根川の源流域、四万十川上流に出かけた。奔流に飛び込むイモト、流れはほとんど滝だから崖をただただ落っこちていく。滝壺から脱出できなければ命だって危ない。イモトの仕事はこうした挑戦だとはいえ、まあ、よくがんばってました。結構、マジで恐怖を感じていたと思います。それだけに、緊張感があって面白く見ました。

   一方のチュートリアルの「金箔重箱作り」はゆるかったですね。たしかに、金箔の製作過程や技術の凄さは、手取り足取り教えるプロを見ていて分かりましたから、チュートリアルが貼り付けようとしてもグシャグシャになったり、切れたりしてしまうのは当然と思って見ていました。

   ところが、次のカットは完成品でちゃんとしてる。金箔貼ってなじむまで時間はかからないのかなあ、すぐうなぎ入れても大丈夫なのといった見てる方の疑問をすっ飛ばして、高級うなぎの蒲焼きを入れて、土用の丑の日を先取りとかいって食べてるんです。テレビ的にはこれでいいんだという判断なのでしょうが、どこまで作れたかというドキュメントでよろしかったんじゃないでしょうか。

   実はそうはできない番組の作りになっていたんです。チャレンジをクリアすると、最後に黒いサイコロを振る権利を得ることができて、ここで賞金100万円を獲得できるかどうかが決まるからです。だからミリオンダイスというわけなのですが、あれでは必死になったチャレンジの意味がなくなってしまいます。サイコロ余計だと思いますね。

   そもそも、タレントに過酷なことをやらせて済んじゃうという制作姿勢は危ういと思います。チャレンジするテーマをエスカレートさせていかないと、番組を続けていけなくなるからです。奇をてらったものでなく、ごく普通に高い技術、テーマを体験させて、その苦労や失敗を見せる方が説得力があると思うのだけれどなあ。

      タレントを  こき使うだけの  小器用さ

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