スポーツ実況ができる実力派の女子アナと評価の高かった日本テレビの山本真純アナ(34)が、27日未明、仙台市内のマンション敷地内で血を流し倒れているのが発見された。
14階建てマンションから飛び降り自殺したとみられているが、生後5か月に乳児を残してなぜ死を選んだのか。山本アナの兄が語る『産後うつ』を番組が取り上げた。
山本アナが昨年3月に結婚した相手の男性は、海外で仕事をするダイビングのインストラクター。山本との間に今年2月に子供が生まれた。
異変は2か月たったころから
「よくできた自慢の妹でした」という兄が、「うつ病を知ってもらいたい」からと語った死にいたるまでの経緯は……
異変が起きたのは、子供が生まれて2か月ほどたったころという。子育てもきちっとやっていたのに、十分にやれていないという絶望感に陥り、すべてに自信をなくしていったという。
兄によると、原因は3つあるという。
「断定はできないのですが、離れて暮らす夫との関係、子育てのこと、将来への不安が積み重なって悩んでいた」
出産3か月後の5月に病院で診てもらったところ、うつ病と診断された。診断結果は家族も知っており、治療も行われ、最近は前向きな気持ちになっていたという。
同じ1999年入社で、他局との交流会で山本アナをよく知っていたリポーターの長谷川豊も、「余裕があって遊びもよく知り、スポーツ(ダイビング)もやるうつ病とは程遠いい人。今も信じられません」と振り返る。
不安感、イライラ、疲れやすく
そんな活発な人がなぜ産後にうつに陥るのか。三鷹レディースクリニックの天神尚子医師は次のように言う。
「お産が終わり、心身ともに疲れている中で、ホルモンの環境が変わって精神面で不安定になってくるんです。不安感やイライラ、疲れやすくなるなどですね。特殊なものではなく、誰でも陥る可能性があります」
また、うつに陥りやすい時期は、産後4~5日目、退院1週間目、他の子供と比較したくなる1か月検診時、里帰り出産後に自宅に戻る時だという。
この時期には、家族など周囲が気を使ってあげる必要があるのだが、天神医師によると『産後うつ』を知らない人が意外と多いという。
山本アナの携帯電話には、未送信の宛先のないメールに次のような文言が残されていた。
「私を愛して下さったすべての皆様 ありがとうございました」。