順番お構いなし。何でも詰め込むワイドショーらしい展開にいささか呆れた。複数の外人男性と絡み合うアダルトっぽい沢尻エリカのヌード映像のすぐあとに取り上げたのは、社民党の辻元清美議員の地元・大阪で行われた27日の離党会見。
カメラ30台、記者100人の前で語った辻元の離党の理由は、「今すぐにでも具体的に解決していく方向の政治を進めていきたい。そんな気持ちが強くなりました」だった。
当面は民主党と統一会派
辻元は昨年9月の政権交代で国交省副大臣に就任し、仕事への新たな情熱がわいてきた矢先に社民党の連立政権離脱。やむを得ず副大臣を辞任したときは、記者たちを前に「寂しい、辛いです」と涙を流した。その思いは離党会見でも消えず、「政策実現」の言葉が何度も出てきた。
「野党として批判や反対の急先鋒に立ってきましたが、それだけでは日本を変えることができない。
小さな政党にとって、政権の外に出たらあらゆる政策の実現が遠のいていく。政策実現の可能性をぎりぎりまで求めていく」
ある民主党幹部は「辻元議員からずっと相談を受けてきた。『社民党を離党して民主党に入りたい』と言っていた」という。
当面は無所属で活動するようだが、政治アナリストの伊藤惇夫は「次の衆院選で民主党に入る可能性もある」と見ている。
国交省で直属の上司だった前原国交相も、「素晴らしい政治家なので、もし無所属になられたら、まずは一緒の会派で共に仕事をさせていただきたい」とエールを送る。
笠井信輔アナは「社民党にとっては看板議員が抜けてしまい大変ですね」としたが、タレントのデープ・スペクターが「社民党を抜け出たのは自分の都合にしか見えない」と批判した。
単に反対するためだけに政治家を志したわけではないだろう。与党として政策を動かすことの達成感を知り、今が転機と見たのかも。