危険承知で出動「救助ヘリ」の過酷

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   埼玉県秩父市大滝で滝つぼに転落した沢登りの女性(55)を救助中、ヘリが墜落して機長や救助隊員ら5人が死亡した。要請があれば、大気が不安定な状態でも出動しなければならない過酷な山岳救助の現実をあらためて浮き彫りにした事故となった。

大雨・洪水・雷注意報

   出動要請を受けて機長、副機長、県防災航空隊員3人、秩父消防本部の救急隊員2人、計7人を乗せた県の防災ヘリ「あらかわ1」が現場に到着したのは11時9分ごろ。ヘリは地上30mのところでホバリング(停止)しながら、まず救急隊員2人が同時にロープで降りようとしていたところ、着地1m手前で、ストンと急に落ち、転倒した2人が見上げると機体が傾き墜落し始めたという。

   県によると、ヘリは今月中旬に規定の100時間点検を終えたばかりで、故障は考えられないという。

   原因として考えられるのは天候。救助活動中の秩父の天候は晴れで風も弱かったが、午前中から大気の状態が不安定で、大雨・洪水・雷注意報が発令されていた。

   気象予報士の天達武史によると、ヘリが墜落した午前11時ごろの秩父地方の気象レーダーを見ると、雨雲はまったくとらえられていない。ところが、11時40分ごろから雨雲ができ始めた。

文   モンブラン
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