原油並みの乱高下
新日鉄の宗岡正二社長は、「残念ながらわれわれが主体的なプレーヤーになっている状況ではなくなってきた。背景が変わってきたということだと思う」と、リーダー交代を率直に認めている。
OECD鉄鋼委員会の根津利三郎議長が出演して、「なぜ価格決定のルールが一気に変わってしまったのですか」という国谷裕子キャスターの問いに、次のように答えた。
「数年前から鉄鉱石の需給関係は売り手市場化していました。そこへ09年のリーマンショックで日本の鉄鋼生産が急激に落ち込んだのですが、この間も中国は生産を落とさなかったため、ユーザーとしての中国の存在が圧倒的に大きくなったんです。それが大きく効いていると思います」
さらに日本にとって厳しいのは、豪州の2社が生産部門の統合を検討しているというニュース。実現すれば寡占化が一段と進み、価格がどんどん上昇しかねない。
根津議長は「極端にいえば、鉄鉱石も原油のようにいずれ日々のスポット価格に連動するということが起ってこないとも言い切れません」と言う。