鳩山前首相の軽井沢の別荘を提供し、巨額の費用と人員を投入して守った大韓航空機爆破事件の実行犯、金賢姫元工作員が3泊4日の「VIP待遇」を終え韓国へ帰る。
大騒ぎしたものの、金元工作員から拉致問題解決につながる新しい情報が得られることはなかった。いったい何の意味があったのか、リポーターの長谷川豊が『総括』した。
外交筋ははじめから冷めた目
番組の冒頭で長谷川が「ムッ、ヘリコプターてな話ですよ。なんでこんなにVIP待遇なんだと世界から笑いものになっている状況なのですがね」と呆れたのが、22日軽井沢の別荘を後にした金元工作員のスケジュール。
5月に来日した中国の温家宝首相が使用した同じ車で一路東京へ向かったのだが、着いたところは東京・調布。ここで、革張りのシートに木目調のインテリアというVIP仕様のヘリに乗り換え、横浜、鎌倉など神奈川県上空を40分かけてグルッと回って遊覧飛行。どうやら富士山を見たかったらしい。このヘリの使用料は1時間80~90万円という。
これについて仙谷官房長官は、「ヘリによる移動は都心の交通混乱を避けるためと聞いています」と、理由にならない理由を挙げた。
その後、拉致家族会との面会のため車で調布のヘリポートから都心のホテルへ向かったが、通行するルートの信号機は移動に合わせて警察官が操作してすべて青信号。一般車両はとばっちりで大渋滞だった。
金元工作員の来日を主導した中井拉致問題担当相は、記者から「ヘリの使用に批判もあるが」と問われて、「誰が批判しているのか具体的に名前を挙げて」、また「今回の来日の費用は」との問いにも「なぜ答えなければいけないのか。関係ありません」と答えようとしない。
では、金元工作員の来日について外務省はどう見ていたのか。取材したフジテレビの解説委員によると、「拉致問題の進展などないと、最初から冷めた目で見ていた」という。 金元工作員の来日中、菅首相をはじめ中井担当総以外の閣僚は一切出てこなかった。やはりマズイと思っていたのか。