入国に異例の例外措置
来日には高いハードルがあった。死刑判決を受けた人物は、出入国管理法上は入国拒否の対象だし、爆破事件当時に偽造旅券を使った疑いが残っている。今回は政治判断でこれらは問わないことにしており、極めて政治的意味合いの強い来日だ。
朴所長はこの点についても次のように指摘した。
「私は政治的意味合いを付加するのであれば、情報収集と同時に(金元工作員を)国会に招致して、北朝鮮の国家の体質はどういうものなのか語ってもらう。古い情報でもいいわけですから。
そういうバランスを取っていれば、来日する大義名分は明確にできたが、今のままでは関係者が韓国へ行ってもよかった」
厳戒態勢を敷いてのお出迎えだが、狙いがいまひとつ判然としない。
「ある種、(政府の)パフォーマンス的なところもあるかなという印象はある」(ニューズウイーク日本語版編集長の竹田圭吾)と取られてもやむを得ない。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト