「普通は取材すると謎がわかってくるが、今回は逆に謎がふくらんだ」と高村智庸リポーター。仙台の病院につとめていた医師が、福岡県大牟田市の旅館経営者を殺害した容疑で逮捕された事件である。
自宅に大量の血痕、湯の入ったカップ麺
容疑者は5月12日に病院の寮から姿を消したが、その状況からしてハテナだらけである。当日は朝5時ごろまで近くの交際相手の家に居て、いったん自宅に帰ると言って出ていった。彼女によれば、いつもとまったく同じ様子で、2人の間にケンカなどはなかったという。
その後、連絡がとれなくなり、寮の中を見てみれば、たたきに直径30cm、200cc分の血痕。電気、テレビはつけっぱなし。ケータイ、財布などは机の上に。キッチンのカップ麺にはお湯が入った状態。周囲の人はみな事件に巻き込まれたのでは、と心配していたという。
コメンテイターの大谷昭宏は、「これ、失踪というよりは追われてる感じ」がするという。「薬物かわからないが、なにかの幻覚(強迫観念)にとらわれた人の逃げ方ですよ。そのへんを調べないと真相はわからないと思います」
文
ボンド柳生