参院選は民主党の大敗と言うべきか惨敗と言うべきか。とにかく、1人区でぼろ負けに負けて、改選の54どころか過半数を大きく割り込む44議席。与野党の総数で、123対118だったものが110対132と逆転した。
菅首相は敗因を「消費税がやや唐突な感じを持って伝わった。事前の説明不足が大きな要因だ」と言ったが、それはいくつかのうちのひとつに過ぎないことはみんなが知っている。
欧米では与野党協議が当たり前
司会のみのもんた「どうなるんです? 菅さんは続投と言ってますが」
岸井成格(毎日新聞主筆)はこう解説した。
「続投しかない。小沢体制で選挙やってたら、もっと惨敗した。歴史的政権交代への期待が大きかっただけに、有権者の失望も大きかった。消費税だけじゃない。10か月の迷走がある。政権運営が拙劣で、消費税の読みが甘かった」
今後の問題は2つ。まず参院のねじれで法案が通らない。これをどうするか。もうひとつが党内で起こる責任論。これは9月の代表選をにらんで、小沢派の巻き返しがあるかどうかと、生臭い話になる。どちらも容易じゃない。
とくに「ねじれ」については、与良正男(毎日新聞社論説副委員長)も早野透(元朝日新聞編集委員)も杉尾秀哉(TBSテレビ報道局解説・専門記者室長)も、政治のプロたちはみな悲観的だ。むしろ、末吉竹二郎(国際金融アナリスト)や三屋裕子(スポーツ評論家)の方がずっと柔軟だ。
三屋「(自民党政権時代のねじれで)小沢さんにやられた福田さん(元首相)が、『(自分は)かわいそうなほどがんばってるんですよ』と言っていた。ああいう状態が続くとは思えない」
末吉「ねじれは政策を練るチャンスだと思う」と踏み込んだ。これは正論だ。「ねじれ」をいう連中は、法案が一語一句変わらずに参院で通ることを考えている。だから数の論理になる。しかし、参院で論議して法案修正を考えればなんてことはない。欧米では普通のことだ。
早野も自民党の石破政調会長らに、「今度はちゃんとやりますよね」と皮肉な突っ込みをいれていた。そう、自民党も少しは利口になってくれないと、面白くない。民主主義は時間がかかるものなのだから。
はっきりしたのは、小沢方式はもう通用しないということ。数の呪縛から解き放たれれば展望は開ける。三屋が「国民は一致団結した民主党を見たいんですよ」と言ったが、この意味を小沢陣営がわかるかどうかだ。
この日の「朝ズバッ!」は延々4時間半。似たような繰り返しの合間に、当選した議員とナマでつなげたり、スタジオに出たり入ったり。おまけに「FIFAワールドカップ、いまスペインが勝ちました」なんてのが入ったりして、まあ落ち着かないことだった。