愛すべき酔っぱらい4人衆 どんちゃん騒ぎ翌朝の驚愕

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(C)2008 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
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   <ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い> もうすぐ夏本番! こういう暑い季節に見るべきは、背筋がヒヤッと涼しくなるホラーか、ばか笑いでスカッとできるコメディに限る! というわけで、今回紹介するのは超B級コメディ「ハングオーバー!」だ。

   結婚式を2日後に控えた新郎ダグは、独身最後の夜を満喫するために悪友3人とラスベガスへ。バチェラーパーティー(新郎が独身最後の夜に男友だちとばか騒ぎするパーティー)を満喫したはずの彼らだったが、翌朝、目覚めると全員昨夜の記憶がない! 部屋は荒れ放題、なぜかバスルームにはトラ、クローゼットには見知らぬ赤ちゃん、そしてなによりダグ本人がいない。消えてしまったダグを探すため、ハングオーバー(二日酔い)の頭を抱えながら、悪友3人はラスベガスの街を奔走するのだが……。

奇行・愚行の数々。世界の酒飲みどもが共感

   ズボンのポケットに入っていたレシートなどを手がかりに、3人が訪ねた先は、コブ付きストリッパー、マイクタイソン、変態中国人マフィアなど、ラスベガスのツワモノばかり。ダグが見つからないまま事態はどんどん悪化し、最後はやはりラスベガス、カジノでギャンブルという展開が待っているのだが、詳しく書くと観る楽しみがどんどん減ってしまうので、あえてここでは控えたい。

   とにかく、ぶっ飛んだストーリー展開にシモネタも満載、「バカだなー、バカばっかりだなー」と終始ニヤニヤしながら、そして後半は爆笑しながら観ることができる。劇場内も笑い声が絶えなかった。

   冒頭で超B級と『超』付けたのは、この映画がただのB級コメディを超えているからだ。低予算で製作され、出演者もけっして派手な顔ぶれではないが、よほど世界の酔っ払いたちの共感を呼んだのだろう、口コミで人気に火がつき興行収入は全米コメディ映画史上歴代ナンバー1。世界27か国で公開され、本年度ゴールデン・グローブ賞の作品賞まで受賞した。さらに来年には続編も控えている。

   たしかに、酔っぱらいたちの奇行・愚行がおもしろいのはもちろんのこと、少々ムチャにも思える前半の伏線が、後半に思いもよらぬ形でしっかりと回収されているし、ラストの締め方もちょっとひねりが効いている。こうした脚本のレベルの高さが、ただのB級コメディ枠におさまらず、評価が高いゆえんなのだろう。

   大人なら誰でも一度は経験したことがあるだろう「二日酔い」。バチェラーパーティーやカジノなどのアメリカンカルチャーは、日本人にはなじみが薄いけど、観終わるころには、ダグらが『愛すべき酔っ払い4人衆』に思えてしまう。そして言わずもがな、さらに酔って記憶が飛んじゃったことがある人、酔ってオイタしたことのある人は、そうでない人より何倍もこの作品を楽しめること間違いなし。

オススメ度:☆☆☆☆

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