参議院は本当に必要なのか――
参院選を2日後に控えて、「とくダネ!」が蒸し暑い中で投票所へ向かう出足をくじくようなテーマを取り上げた。なぜこの時期に参院不要論を取り上げるのかと不思議な思い出見ていたが、最後まで分からず、議員の質低下を言いたいということだけが分かった。
行列のできる投票所も閑散
まずは参院選の有権者の反応からというわけで、取材記者が出向いたのは、昨年8月末の衆院選挙で行列ができた横浜市旭区の二俣川駅期日前投票所。衆院選の時は期日前投票をする有権者が長いときで90人もの並んだが、今回は閑散としている。
では、横浜市全体ではどうだろう。衆院選では40万4115人が期日前投票を行ったが、今回は8日時点で19万966人と半分にも満たない低調ぶり。
投票に来た男性有権者にしらけている理由を聞くと、「参議院がこれぞという働きをしているとは思えない。なくていいのかも分からないね」と、参議院の機能に疑問を呈した。
ここで登場したのが、参院不要論を主張する学習院大法学部の福元健太郎教授。データをもとに次のように主張する。
「1947年から2000年までに政府が国会に提出した8090本の法案について、衆・参両院で何日ぐらい審議し、衆・参で結論が違ったか分析したところ、衆院から回された法案の92%は参院でそのまま追認されていました。これでは参議院はいらない」
目に余る議員の質低下
01年から2年間、参院議員だった田嶋陽子はこう反論した。
「参議院は衆議院のセーフティーネットとして必要だと思いますね。ただ、参院議員の質もだんだん悪くなっていて、法案を読む力のない人もいます。質を良くするために選挙制度を変える必要がある」
では、現役の参院議員はどう見ているのか。小沢前民主党幹事長の側近の高嶋良充議員は、過去4回の参院選では3回与党が負け、内閣改造や首相交代に結びついてきたとして、次のように指摘した。
「政局的には参議院の存在感を高めたが、日本の政治にとっていいことではない。参議院が政局の舞台になるのは不幸だ」
参議院はこのままではムダで、仕分けした方がいいということか。キャスターの小倉智昭は「衆議院だけとなると独裁になる可能性もある。参議院でバランスを取るよう機能させることが大事だと思う」。
結局、よく考えて投票をということに尽きるのか……。