警視庁はきのう(7日)、野球賭博に関わる三十数か所(4都府県)を賭博開帳図利の疑いで一斉捜索した。7日は奇しくも1500年前、日本で相撲が始まった日とされる(日本書紀)のだそうだ。
捜索は阿武松、時津風、宮城野、武蔵川、九重などの留守部屋と名古屋の宿舎など。朝稽古のあと踏み込まれた阿武松親方は、「すみません、申しわけありません」を繰り返すばかり。
胴元への突き上げ捜査
家宅捜索の狙いはどのあたりなのだろう。元東京地検特捜部の若狭勝弁護士は「賭博の胴元の特定だ」と解説する。賭博の申し込み、連絡などはすべて携帯電話で行われていたことがわかっているため、まずは通話記録の確認になる。また、仲介役が掛け金の額や日時を記したメモの類いもある。しかし、一部報道によると、すでにメールを消去するなど、証拠隠滅の動きがあるという。メモも破棄されたものがありそうだ。
捜索のタイミングとしては、「協会の処分が出たあとの本場所までの間」と言うことでは、きのうか今日しかなかった。場所中だと影響が大きすぎるからだ。ただ、大嶽親方や琴光喜の立件は、場所後になるだろうという。
では、胴元にたどり着くことはできるのか。
若狭はこう見る。
「相撲部屋の仲介役が連絡していたのが本当の胴元かどうか。末端からたどるのを『突き上げ捜査』というのだが、これはなかなか難しい。
本当の胴元は間に人をかませている。これを解明するには、仲介人が全部本当のことをしゃべらないといけない。『全部面倒みるから、オレの名前は出すなよ』と言われているかもしれない」
司会のみのもんた「映画みたいですね。だれかが罪をかぶって……」
上へいくほどその世界なのだから、しゃべったら生きていけない。アメリカのように「司法取引」もできないし、これから警視庁も大変だろう。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト