消費税増税をシリーズで取り上げている『とくダネ!』が、軽減税率を適用しているドイツの消費税を取材した。
いっこうに使い道や仕組みをどう見直すかまで進まない曖昧模糊とした与野党の議論。番組が一歩中身に踏み込んだのはタイミングとしてよかった。
ビール19%ソーセージ7%
政府税調が参考にする国の一つとして名前があがったドイツは、3年前に付加価値税(日本の消費税)の税率を16%から19%に引き上げた。これで200億ユーロ(2兆2000億円)の増収があったという。
その使い道は3分の2を財政再建にあてて赤字を半減させ、残り3分の1を失業保険に使った。企業の負担が減り、失業率は07年の10.8%から09年は7.8%に改善した。
経済ジャーナリストのトーステン・ブライトコップフは、「国民は最初、増税に反対だった。結局、国民が受け入れたのは、軽減税率を7%に据え置き、増税の負担が軽くなったからです」と解説した。
そこで、リポーターがドイツ・デュッセルドルフで本場のビールとソーセージを買うと…。ビールは嗜好品とされ19%の新しい税率だが、ソーセージは7%の軽減税率が適用されていた。
一般家庭を訪れ、朝食メニューを聞くと、ほとんどは軽減税率が適応される食品ばかり。税率19%はミネラルウォーターだけだった。
では、税率を低くする生活必需品と贅沢品・嗜好品をどう区分けしたのか。本や雑誌、新聞、肉類は軽減税率7%、映画のDVDや文具類は新税率19%。面白いのは、ファーストフード店でソーセージのお持ち帰りは7%だが、店で食べると同じソーセージが19%と差がある。
トーステンによると、この区分けにはまだ国民の納得を得られていないものがあるという。たとえば、富裕層しか買わないウズラの卵とトリュフの税率が7%というのも、熱い議論になっているという。