いずれ大相撲番組は「全部ダイジェスト」に?

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   NHKが大相撲名古屋場所のテレビ中継をやめることにした。最後の取り組みが終わった後の午後6時台に20~30分間、幕内力士の結果をダイジェストで放送するという。

   NHKの決定に「とくダネ!」出演者からさまざまな反応があった。「この措置が無期限になってしまうのでは」という相撲ファンの懸念も出た。

不祥事発覚でも「特別扱い」

   1953年5月にNHKがテレビ中継をスタートして以来、中止は初めて。この間、千代の富士が初優勝を決めた81年1月の初場所千秋楽の視聴率は52.2%を記録している。

   全盛時代ほどの人気はなくなったとはいえ、昨年7月26日の名古屋場所千秋楽、朝青龍と白鵬の対戦は16.4%の視聴率で、キャスターの小倉智昭は「夕方の時間帯にこれだけの視聴率は民放から見ると羨ましい」とため息をつく。

   放送権料は1場所5億円といわれているが、幕下力士の取り組みをBS放送で毎場所流して相撲人気を下支えするなど、テレビ中継と日本相撲協会は不即不離の関係にあった。

   逆の見方をすれば、力士の薬物事件や親方による弟子の暴行事件、暴力団との付き合いなど、様々な不祥事で世間の批判されながらテレビ中継を続けて特別扱いしてきた。

   そうした特別扱いが、結果的に世間の常識からかけ離れた相撲社会をはぐくみ、増長させた一因と言えなくもない。

視聴者を口実にするNHK

   小倉はテレビが家庭に普及していない子供のころ、「小銭を持って蕎麦店に駆け込み、かけそば一杯で3時間ねばって中継を見た」と話す。

   番組にゲスト出演した東京相撲記者クラブ会友の大見信昭も、「やるとばかり思っていた。戦後、大勝負や名勝負がありましたが、それもNHK の中継と一体となって生まれた。それがなくなるので、ちょっとした大事件ですね」と残念そう。

   しかし、米国生まれのタレント、デーブ・スペクターは冷淡だ。

「NHKは視聴者のせいにして、便利に利用している。放送媒体としての決断のほうを先行すべきでないか。ダイジェストを6時台に放送するのはずるい。中継しないという説得力がズレてきませんか」

   一理あるが、前田忠明(芸能ジャーナリスト)のような相撲ファンもいる。

「今後、全部ダイジェストになっちゃうんじゃないか。そういう懸念がある」

   無期限中止になるか再開されるかは、相撲界が改革へ真剣に取り組むかどうかにかかっているが、嵐が通り過ぎるのを首をすくめて待っている印象が強い。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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