日本相撲協会はきのう(4日)の臨時理事会で、野球賭博などに関わった親方・力士の処分を決めた。野球賭博では大嶽親方と大関琴光喜が解雇、時津風、阿武松両親方は降格、理事長以下の理事の減俸と、協会始まって以来の事態だ。
会見が行われた名古屋市内のホテルには、関わった力士も顔をそろえて謝罪。また、野球賭博以外の賭け事をした力士たちの中には、横綱白鵬の姿もあった。
名古屋場所は開催されるが、親方・力士31人が謹慎で出場できず。また、弟子が関わったとして謹慎となった武蔵川理事長の代行には、外部理事の村山弘義・元東京高検検事長が就いた。
むしろお願いするのが筋
外部理事による理事長代行には、親方衆から不満が出たらしいが、文部科学省の強い意向を受けて、協会は受け入れたのだという。
これについて、相撲ジャーナリストの杉山邦博はこう言う。
「外部の理事に反発するとは、全く空気が読めていない。むしろお願いしますというべきだ」
末吉竹二郎(国際金融アナリスト)も「(企業でいえば)取締役会に議決権をもって外から人が入らないとダメ」とする。
杉山「今回、外部の人が入ったから10日間でスピード決着した。内部だけでやっていたら、(名古屋場所)開催どころじゃなかった」
司会のみのもんた「なぜわからないのかなぁ。タニマチ、ファンももっと厳しく見ないといけない」
この理事会の前に妙な動きがあった。貴乃花親方が琴光喜の処分軽減を訴えたが却下されたため、理事の退職願いを出したのだという。しかし、武蔵川理事長は「無責任だ」と受理せず、村山代行が辞職願いを返したという。
杉山は「貴乃花も複雑だったと思う」と解説した。2月の理事改選で貴乃花が当選した際、今回処分された大嶽親方、琴光喜、阿武松親方が貴乃花支持に動いたとされているからだ。
貴乃花は琴光喜について「十両最下位でもいから」と言っていたらしい。杉山は「貴乃花の気持ちはわかるが、軽卒だったのではないか」と言う。琴光喜には、退職金だけは出ることになった。
5日朝発表された番付表は、琴光喜の名前が載ったまま。作り直す余裕がなかったらしい。このうちから幕内で4番、十両で3番の取り組みが減る。異例のチケット払い戻しにも応ずることになった。あとは、NHKの中継がどうなるか。これは6日に決まる。