お気楽で身勝手な我らがヒーロー「悪者」どもに勝てるのか

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(C)2010 MVL Film Finance LLC. Iron Man, the Character: TM & (C)2010 Marvel Entertainment, LLC & subs. All Rights Reserved.
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<アイアンマン2>前作のラストで、自らがアイアンマンであることを打ち明けたトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr.)。天才発明家で軍需産業のCEOでありながら、お気楽主義でナルシストのプレイボーイという本作のヒーローだが、そんな彼も今回ばかりは厄介な問題に直面する。

   トニーが試行錯誤の末に完成させたアイアンスーツに目をつけた政府は、兵器として国の所有物にしようとする。さらに、『ウィップラッシュ』ことイワン・ウ゛ァンコ(ミッキー・ローク)という男にも死んだ父親の仇と狙われる。

   日本での興行収入はさておき、パート1が世界的にヒットしたことで、本作ではスケールアップとともに、多くの要素と魅力的なキャラクターが追加された。パート2は前作と比べてだいぶ賑やかになり、華やかさも増した。

迫力満点!ロボット同士の空中戦

   トニーの秘書であり、良き理解者でもあるペッパーを、前作から引き続きグウィネス・パルトロウが演じているが、ド派手なアクション映画のヒロインとしてはイマイチ華やかさが足りない。ただ、今回はナタリーと名乗る女スパイが登場、これをセクシー女優スカーレット・ヨハンソンが演じることで、映画に華やかさを加え、トニーのライバル会社のCEOで、目的を果たす為なら手段を選ばないハマーをサム・ロックウェルがイキイキと演じている。

   前作で自らが『死の商人』となっていたことを知ったトニーは、人を殺すために兵器を開発するのでなく、今度は守るために兵器を用いると公約する。だが、この主人公は王道のヒーローとは程遠い人物だから、次第に身勝手な行動に走り、人々からも愛想を尽かされてしまう。社長の座もペッパーに譲ってしまい、ついにはトニーの行動を見かねた軍に、アイアンスーツ1機を没収されてしまう始末。それでもトニーはなぜか憎めない男なのだ。

   やさぐれて、スーツ姿で屋根の上でドーナツを頬張るという子供っぽいところが、なんとも可愛らしい。トニーをここまで魅力的な人物に作り上げたのは、ロバート・ダウニー・Jr.の功績にほかならない。

   前作でさりげなく軍需国家の風刺的内容を描き、アメリカ国内で評価された監督兼運転手役のジョン・ファブロー。今作では権力者の暴走と軍事兵器の発展が、どのような危機をもたらすかを警告しているように見えなくもないが、全体としては、前作より娯楽色強めに仕上げていて、とくに終盤、ロボット同士の空中戦はかなりの見物だ。

   この作品で一番気になるのは、スーパーヒーローが集結する映画「アベンジャーズ(原題)」の布石が描かれていること。 エドワード・ノートン主演の「インクレディブル・ハルク」のエンディングからすでににおわせていたこの計画。「アベンジャーズ」を楽しみにしている人なら、サミュエル・L・ジャクソンが登場するたびにワクワクするはずである。

おススメ度 ☆☆☆☆

巴麻衣

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