岡田ジャパン帰国でサッカーW杯ネタは終わり、話題は9日後に迫った参院選というわけで、菅首相の消費税をめぐる還付発言の混乱を取り上げた。
200万円、300万円、350万円
菅首相は就任早々、消費税率10%の自民党案を参考に消費税増税を打ち上げたとたん支持率ダウン。
「しばらくはお静かに」と切り捨てた小沢前幹事長からは、「4年間は触れないと国民に約束したのに何事だ」と怒られる始末。
そこで、首相が選挙遊説先で盛んに口のするのが、消費税率アップで負担が重くなる低所得者向けの還付制度。
遊説で東北を北から南に移動した先月30日、この還付制度を想定した低所得層の範囲について首相の迷走ぶりが目立った。
まず青森市で「収入が年間200万円とか300万円とか」、次いで秋田市では「年間300万円とか350万円以下の人は」、さらに山形市まで来ると「年間300万円から400万円以下の人には」と金額がバラバラ。
与党の国民新党からも「数字を挙げて還付を言うのはやってはならないこと」(下地幹郎幹事長)と批判を浴びた。
皮肉たっぷりなのは公明党。「上野行きの上り列車に乗ったから、どんどん数字が上ったんでしょうかね」(山口邦津男代表)
共産党はスッキリと「返すなら取るな!と言いたい」(志位和夫委員長)。
財務省主導の増税論
スタジオでは、キャスターの小倉智昭が「消費税論議をする時に、こういうブレが出てくるのは、その場しのぎと取られても仕方がないよね」と問いかける。
これにノンフィクション作家の岩上安身はこう答えた。
「その通りですね。菅さんの発言は、この件に関しておかしなことばかり。たとえばギリシャ。ギリシャと日本は経済的、財政的、基礎的条件がまったく違う。ギリシャと同じような財政破たんは日本では起こり得ない。
ギリシャは国債を発行したら海外で売るしかないが、日本は全部国民の預貯金でまかなうことができる。そういう国と一緒にすること自体が、ある種、悪質な不安をあおるデマみたいなもの。結局、財務省主導の消費税増税に乗っかっているだけ」
小倉が最後に「所得税の還付はできても、消費税の還付は現実的に絶対できないですよ」と吠えた。
たしかに、低所得者が買い物をした領収書を持って来させて税務署が処理するなどあり得ない。還付ではなくて単なる現金のバラマキだろう。