「8時またぎ」のトップに「岡田ジャパン凱旋」とあった。さすがに司会のみのもんたが「凱旋……でいいですよね」と言ったが、ファン4200人が詰めかけた関西空港の雰囲気は、まさにそれだった。
選手・監督もびっくりしたらしい。「なんじゃこりゃと思った」と岡田監督も言っていたが、同時に、日本国内の熱い思いもわかったらしい。ホッとしたのだろう。記者会見も雰囲気は明るかった。
予定より早い帰国
岡田監督は「予定より早い帰国は残念だ。できればもう1試合させてやりたかった。たくさんのチームを育てたが、このチームは1、2を争ういいチーム。日本人の魂をもって戦ってくれた。誇りに思っている」と言った。
選手たちもこぞってチームの結束を口にした。
「素晴らしいチームワーク。一緒に戦えて幸せだった」(長谷部誠)
「もう少しこのチームでプレーしたかった」(本田圭佑)
監督も「チームの中で自分は何をしたらいいか、本来監督が考えるようなことを、全員が考えていた」と。
これにラモス瑠偉は「行く前はバラバラだった」と言う。おそらく、試合が進むにつれてそうなっていったのだろう。その意味で、初戦を勝ったことがいかに大きかったか。本田が「ひとつ勝っただけで、チームがあんなにも変わるとは」とも言っていた。
スポーツニッポン編集委員の宮内正英が「ひとつになることがいかに大事か。フランスがいい例だ」と言ったが、逆かもしれない。勝ったからひとつになれた。フランスは勝てなかったのだ。
それにしても、今回は1度もピッチに立てない選手が多かった。岡田監督は会見で、今野泰幸に話を振って、闘莉王の物真似をさせたり、森本貴幸に南アの歌を歌わせたりしていたが、やはり痛々しい。
スポーツはそういうものだとはいえ、チラリと写った内田篤人の暗い表情が印象的だった。4年後、森本や内田がどんな顔で戻ってくるか。これもまた、ドラマだ。