野球賭博問題で日本相撲協会は28日、有識者による特別調査委員会の勧告を受け入れ、必要な措置を講じたうえで、名古屋場所を開催すると決めた。具体的な懲戒処分の内容は、4日の理事会で決める。
この日、力士13人と親方11人の名前が明らかにされた。武蔵川理事長ら理事4人も弟子が関与していたために謹慎とされ、名古屋には入れない。ために代行を置くことになる。
名横綱大鵬の部屋も消滅
野球賭博に最も関わりの深かった大嶽親方は、勧告でも「解雇以上」とされていたが、提出された辞職願いを協会は受理せず、懲戒の手続きに入った。また、ことの発端となった大関琴光喜も、「はじめにウソをついた」として、大嶽親方と同等の処分になる見通しだ。
これで、横綱・大鵬から受け継いだ大嶽部屋はなくなり、琴光喜も角界からの追放が確実となった。部屋の半分が関わっていた阿武松部屋だが、賭博に手を出さなかった力士もいることから、部屋全体の謹慎は見直されるという。
相撲ジャーナリストの杉山邦博は名古屋場所開催に、「私としては安堵してます。伝統文化だから、やることに意味がある」という。でも、NHKが中継することには反対する。
「今までの中継は娯楽番組だった。あれはやらずにニュースでやったらいい」
大嶽部屋についてみのもんたは、「巨人、大鵬、玉子焼きといわれたのに……」。名横綱大鵬が興した部屋を、娘婿の大嶽が継いだのだが、現役時代の貴闘力を知るだけに、みのには「なぜ」という思いがある。
この日の決定ははじめに結論ありきだったという批判もある。徹底的にうみを出して再出発すべきだとの声は依然強い。NHKにも「中継を中止せよ」という電話が多いという。
杉山「中止する方が楽なんです。針のむしろの上にいるつもりで、役員が客に、『よくぞ来てくださった』と頭を下げるくらいでないと」
そんな気概があるくらいなら、こんな事態にはなっていまい。